政治の劣化は誰が招いたか
二週間ほど前の休日、久方ぶりに新宿のデパートに行った。
妻は売り場に、買い物が苦手なボクは屋上に向かった。
そこはビアガーデンになっていて、その一角に、向かい合わせに4つのベンチがあり、そこが喫煙所になっている。
妻が買い物をする小一時間ほどを、ボクはそこで心ゆくまでタバコをふかす。
例年ならば多くの客で賑わいを見せている筈のビアガーデンも、人はまばらで、従業員たちも手持ち無沙汰な様子だった。
コロナの影響でまだまだ客足が戻らないのだなあ、と3本目のタバコに火をつけた、ちょうどその時だった。
嬌声をあげながら7~8人の若者たちの集団がいきなり現れてドヤドヤとベンチを占拠した。
身体はもう立派な大人だが、まだあどけなさを残した女の子たちに混じっておとなしそうな男の子たちもいた。
10代後半だろう。
みんな適当に酔っている様子で、大声を出したり笑ったり、化粧を直したりと、傍目など気にすることもなく子犬たちのようにお互いにじゃれ合っている。
そして何か飲み物を回し飲んでいる。
そんな無邪気な様子の若い子たちを間近で見るのも久しぶりで妙に新鮮な光景に映った。
その子たちはコロナウイルスのことなど頭の片隅にさえ無いことは明らかだった。
これが若さだよな、などと、しかし少し不安の交錯する複雑な思いで、ボクはただ眺めていた。
事実、多くの若者たち自身にとっては、たとえ感染しても怖い病気ではないことは確かだ。
そう安心させて感染を果てしなく拡大していく新型コロナウイルスの戦略に改めて驚く。
細胞も無く、もちろん知恵を生み出す脳などの器官を持たないウイルスのどこにそのような戦略が秘められているのか。
自然界の底知れない仕組みの深さに畏敬の念を禁じ得ない。
そしていま、日本では、一旦は収まったかに思えたコロナウイルスだったが、再びその猛威を振るい始めている。
東京は連日百数十~二百数十人の感染者を数え、東京ばかりでなく、大阪など日本の主要都市にその感染が本格的に広がり始めている。
いまのところ死亡者数が少ないのが救いだが、これとて今後どういう展開となるのかについての正確な情報はない。
ウイルス学者の間では、今回の感染拡大は予想の範囲内であったようで、今年の秋以降の第2波はどうやら避けることは出来ないようだ。
世界を見てもボクたちの想像を遥かに越える感染者、死亡者を出し続けている。
WHOをはじめ、世界のウイルス学者や医療関係者の警告を背に受けながら、各国はウイルス対策の必要性と経済活動の狭間で、最も有効な選択の道の模索に苦しみ試行錯誤を繰り返している。
世界がコロナという未曽有のウイルスの出現で、今後の人間の暮らしが大きく変化せざるを得ないという歴史的大事件に遭遇し、その対応について真剣に取り組んでいる、かに見える。
しかし、その一方で、大国のリーダーたちは、それぞれ別の目論見で動いている。
アメリカのトランプ大統領はコロナなど眼中になく11月に迫った大統領選挙での再選だけを目指して動いているのは周知だ。
そんな人物に世界中が振り回されているのかと思うだけで、情けなくなる。
一方中国の習近平はコロナの収拾で、中国国内の言論統制を更に強め、世界の混乱に乗じて香港との一国二制度の約束を事実上の反故にした。
さらに次の標的である台湾を巡ってアメリカとの間での軍事的緊張関係を高めて、覇権への道を一直線で進んでいる。
ロシアのプーチン大統領も同様に、コロナのどさくさに紛れて憲法改正の国民投票を行い、そこに永世大統領の約束を抱き合わせに織り込み、目論見通りに権力の座を手に入れた。
そして、日本はと言えば、われらが安倍政権だ。
安倍首相は就任当初から不明朗で不透明な政治手法で、都合の悪い事件が起きると隠ぺいし、これまで一度も説明責任を果たしたことはない。
失政を犯す度に、責任は自分にあると何十回も繰り返し国民に謝罪しながら、一度も責任を取ったことが無い。
官僚を自殺に追い込むようなことを平気で行う政権だ。
しかし、野党も国民もマスコミも当たり前のようにそれを許し続ける不可思議な日本国家になってしまっている。
そんな責任逃れの政治体質ではさすがにコロナ危機には対応できず、実務能力の欠如を国民の前に露呈し、支持率も下がった。
自民党総裁4選の目論見は挫折したかに見える。
そこで新たに編み出した奥の手が解散である。
解散して民意を問い直し、新たな信認を得て権力の座を守り続けようとの魂胆だ。
ある政治家は政治資金集めのパーティーを派手に行い、解散風を吹かそうと演出している。
国会を解散するにはそれなりの大気名分が必要だが、その大義を憲法改正に定めた。
新型コロナに立ち向かい国家を守るためには、より強力なコロナ対策法案の制定が必要で、そのためには憲法改正が必須であるとの論理である。
保守派の知事たちも、現政権の目論見を実現するためにコロナ法案の制定の必要性をアピールして、盛んにその後押しをしている。
憲法改正を世に問うのならば、解散の大義となるとの、とんだ茶番劇だが、政治家たちは真面目な顔でその茶番を演じている。
コロナ対策に憲法改正など必要ないのだが、こんな幼稚なこじつけでも堂々とまかり通るのが今の日本だと、政治家たちは国民を見くびっている。
ボクたちは本当に馬鹿にされている。
そして、ボクは同時にコロナ対策を利用しての強権政治への道筋を今こそ止めなければならないと確信している。
緊急事態宣言が発出された時、日本国民は極めて忠実に自粛要請に応えた。
法律の規制や罰則が無くても立派に自粛したことは記憶に新しい。
今更、憲法改正までして法律を強化する必要はないし、現行憲法下の法令制定は可能な筈である。
コロナを利用して強権を発動したいとの為政者の意図が丸見えである。
今回、コロナが人間に示した警告の本質を捉え、ボクたちの今後の生き方について真剣に考えることが世界各国が取り組むべき共通の課題であり、そして日本が率先して科学と哲学に基づいて新しい価値観の創造を果たすへき大切な時代なのに、自分たちの権力の座だけに執着し、それにコロナを利用している姿を毎日目にしなければならないとは、何とも情けないことである。
これはイデオロギーの問題ではない。
小さくは恥の問題であり、大きくは人間の生き方、国の在りようの問題である。
世界の政治の多くが劣化しているが、日本がその先端を走る必要はない。
もう手の施しようもない位にまで腐敗権力ウイルスに汚染されてしまっている現政権を一度隔離入院させて治療する必要があることは確かだ。
しかし、政治家とは本来がそういう存在であり、権力の腐敗とはそういうものであることはまぎれもない歴史的真実である。
そのことをボクたちほとんど多くの国民はこれまで学んで知っている。
そういう意味ではこういう世の中にしてしまった責任は実は政治家ではなくて、間違いなくボクたち国民にある、というのが実相だ。
ボクたち国民が本気で覚醒する時が来ていると思っている
「Go Toで しっぺ返しか 痴話喧嘩」

妻は売り場に、買い物が苦手なボクは屋上に向かった。
そこはビアガーデンになっていて、その一角に、向かい合わせに4つのベンチがあり、そこが喫煙所になっている。
妻が買い物をする小一時間ほどを、ボクはそこで心ゆくまでタバコをふかす。
例年ならば多くの客で賑わいを見せている筈のビアガーデンも、人はまばらで、従業員たちも手持ち無沙汰な様子だった。
コロナの影響でまだまだ客足が戻らないのだなあ、と3本目のタバコに火をつけた、ちょうどその時だった。
嬌声をあげながら7~8人の若者たちの集団がいきなり現れてドヤドヤとベンチを占拠した。
身体はもう立派な大人だが、まだあどけなさを残した女の子たちに混じっておとなしそうな男の子たちもいた。
10代後半だろう。
みんな適当に酔っている様子で、大声を出したり笑ったり、化粧を直したりと、傍目など気にすることもなく子犬たちのようにお互いにじゃれ合っている。
そして何か飲み物を回し飲んでいる。
そんな無邪気な様子の若い子たちを間近で見るのも久しぶりで妙に新鮮な光景に映った。
その子たちはコロナウイルスのことなど頭の片隅にさえ無いことは明らかだった。
これが若さだよな、などと、しかし少し不安の交錯する複雑な思いで、ボクはただ眺めていた。
事実、多くの若者たち自身にとっては、たとえ感染しても怖い病気ではないことは確かだ。
そう安心させて感染を果てしなく拡大していく新型コロナウイルスの戦略に改めて驚く。
細胞も無く、もちろん知恵を生み出す脳などの器官を持たないウイルスのどこにそのような戦略が秘められているのか。
自然界の底知れない仕組みの深さに畏敬の念を禁じ得ない。
そしていま、日本では、一旦は収まったかに思えたコロナウイルスだったが、再びその猛威を振るい始めている。
東京は連日百数十~二百数十人の感染者を数え、東京ばかりでなく、大阪など日本の主要都市にその感染が本格的に広がり始めている。
いまのところ死亡者数が少ないのが救いだが、これとて今後どういう展開となるのかについての正確な情報はない。
ウイルス学者の間では、今回の感染拡大は予想の範囲内であったようで、今年の秋以降の第2波はどうやら避けることは出来ないようだ。
世界を見てもボクたちの想像を遥かに越える感染者、死亡者を出し続けている。
WHOをはじめ、世界のウイルス学者や医療関係者の警告を背に受けながら、各国はウイルス対策の必要性と経済活動の狭間で、最も有効な選択の道の模索に苦しみ試行錯誤を繰り返している。
世界がコロナという未曽有のウイルスの出現で、今後の人間の暮らしが大きく変化せざるを得ないという歴史的大事件に遭遇し、その対応について真剣に取り組んでいる、かに見える。
しかし、その一方で、大国のリーダーたちは、それぞれ別の目論見で動いている。
アメリカのトランプ大統領はコロナなど眼中になく11月に迫った大統領選挙での再選だけを目指して動いているのは周知だ。
そんな人物に世界中が振り回されているのかと思うだけで、情けなくなる。
一方中国の習近平はコロナの収拾で、中国国内の言論統制を更に強め、世界の混乱に乗じて香港との一国二制度の約束を事実上の反故にした。
さらに次の標的である台湾を巡ってアメリカとの間での軍事的緊張関係を高めて、覇権への道を一直線で進んでいる。
ロシアのプーチン大統領も同様に、コロナのどさくさに紛れて憲法改正の国民投票を行い、そこに永世大統領の約束を抱き合わせに織り込み、目論見通りに権力の座を手に入れた。
そして、日本はと言えば、われらが安倍政権だ。
安倍首相は就任当初から不明朗で不透明な政治手法で、都合の悪い事件が起きると隠ぺいし、これまで一度も説明責任を果たしたことはない。
失政を犯す度に、責任は自分にあると何十回も繰り返し国民に謝罪しながら、一度も責任を取ったことが無い。
官僚を自殺に追い込むようなことを平気で行う政権だ。
しかし、野党も国民もマスコミも当たり前のようにそれを許し続ける不可思議な日本国家になってしまっている。
そんな責任逃れの政治体質ではさすがにコロナ危機には対応できず、実務能力の欠如を国民の前に露呈し、支持率も下がった。
自民党総裁4選の目論見は挫折したかに見える。
そこで新たに編み出した奥の手が解散である。
解散して民意を問い直し、新たな信認を得て権力の座を守り続けようとの魂胆だ。
ある政治家は政治資金集めのパーティーを派手に行い、解散風を吹かそうと演出している。
国会を解散するにはそれなりの大気名分が必要だが、その大義を憲法改正に定めた。
新型コロナに立ち向かい国家を守るためには、より強力なコロナ対策法案の制定が必要で、そのためには憲法改正が必須であるとの論理である。
保守派の知事たちも、現政権の目論見を実現するためにコロナ法案の制定の必要性をアピールして、盛んにその後押しをしている。
憲法改正を世に問うのならば、解散の大義となるとの、とんだ茶番劇だが、政治家たちは真面目な顔でその茶番を演じている。
コロナ対策に憲法改正など必要ないのだが、こんな幼稚なこじつけでも堂々とまかり通るのが今の日本だと、政治家たちは国民を見くびっている。
ボクたちは本当に馬鹿にされている。
そして、ボクは同時にコロナ対策を利用しての強権政治への道筋を今こそ止めなければならないと確信している。
緊急事態宣言が発出された時、日本国民は極めて忠実に自粛要請に応えた。
法律の規制や罰則が無くても立派に自粛したことは記憶に新しい。
今更、憲法改正までして法律を強化する必要はないし、現行憲法下の法令制定は可能な筈である。
コロナを利用して強権を発動したいとの為政者の意図が丸見えである。
今回、コロナが人間に示した警告の本質を捉え、ボクたちの今後の生き方について真剣に考えることが世界各国が取り組むべき共通の課題であり、そして日本が率先して科学と哲学に基づいて新しい価値観の創造を果たすへき大切な時代なのに、自分たちの権力の座だけに執着し、それにコロナを利用している姿を毎日目にしなければならないとは、何とも情けないことである。
これはイデオロギーの問題ではない。
小さくは恥の問題であり、大きくは人間の生き方、国の在りようの問題である。
世界の政治の多くが劣化しているが、日本がその先端を走る必要はない。
もう手の施しようもない位にまで腐敗権力ウイルスに汚染されてしまっている現政権を一度隔離入院させて治療する必要があることは確かだ。
しかし、政治家とは本来がそういう存在であり、権力の腐敗とはそういうものであることはまぎれもない歴史的真実である。
そのことをボクたちほとんど多くの国民はこれまで学んで知っている。
そういう意味ではこういう世の中にしてしまった責任は実は政治家ではなくて、間違いなくボクたち国民にある、というのが実相だ。
ボクたち国民が本気で覚醒する時が来ていると思っている
「Go Toで しっぺ返しか 痴話喧嘩」



Comment
さすが素晴らしい洞察、見識です!武漢コロナの対応では、正にわが国の平和ボケ振りを露呈しました🤗与野党双方、余りの無策、無能ぶりに国家としての危機を感じた人は多々いた事と思います!多くの国民は仕方なく安倍政権だったのです!自分の国を自ら守る気概もなく、米、中に阿る姿は情けない限りです。拉致被害者を取り戻せる訳がありません😅コロナによる苦渋の倒産も余儀なくされました。このコロナ禍がが、国民の覚醒をを呼び起こすキッカケになって欲しいと願っています😅
Trackback
Trackback URL
このエントリーの固定リンク
Comment Form
プロフィール
Author:馬鹿社長
【小田昭太郎】
株式会社オルタスジャパン代表取締役
★ホームページ★
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
- 2022/01 (1)
- 2021/05 (1)
- 2021/03 (1)
- 2021/02 (2)
- 2021/01 (1)
- 2020/12 (1)
- 2020/09 (1)
- 2020/08 (1)
- 2020/07 (1)
- 2020/06 (1)
- 2020/05 (1)
- 2020/04 (1)
- 2020/03 (1)
- 2020/02 (2)
- 2020/01 (1)
- 2019/12 (2)
- 2019/11 (2)
- 2019/10 (1)
- 2019/09 (1)
- 2019/08 (3)
- 2019/07 (2)
- 2019/06 (2)
- 2019/05 (2)
- 2019/04 (2)
- 2019/03 (3)
- 2019/02 (4)
- 2019/01 (2)
- 2018/12 (3)
- 2018/11 (3)
- 2018/10 (3)
- 2018/09 (2)
- 2018/08 (3)
- 2018/07 (4)
- 2018/06 (2)
- 2018/05 (1)
- 2018/04 (3)
- 2018/03 (3)
- 2018/02 (1)
- 2018/01 (3)
- 2017/12 (5)
- 2017/11 (4)
- 2017/10 (4)
- 2017/09 (5)
- 2017/08 (4)
- 2017/07 (4)
- 2017/06 (5)
- 2017/05 (3)
- 2017/04 (4)
- 2017/03 (5)
- 2017/02 (4)
- 2017/01 (1)
- 2016/09 (3)
- 2016/08 (4)
- 2016/07 (4)
- 2016/06 (5)
- 2016/05 (2)
- 2016/04 (4)
- 2016/03 (5)
- 2016/02 (4)
- 2016/01 (3)
- 2015/12 (4)
- 2015/11 (2)
- 2015/10 (1)
- 2015/09 (4)
- 2015/08 (4)
- 2015/07 (4)
- 2015/06 (3)
- 2015/05 (4)
- 2015/04 (5)
- 2015/03 (4)
- 2015/02 (4)
- 2015/01 (3)
- 2014/12 (4)
- 2014/11 (4)
- 2014/10 (4)
- 2014/09 (7)
- 2014/08 (7)
- 2014/07 (11)
- 2014/06 (11)
- 2014/05 (11)
- 2014/04 (15)
- 2014/03 (20)
- 2014/02 (19)
- 2014/01 (18)
- 2013/12 (18)
- 2013/11 (20)
- 2013/10 (22)
- 2013/09 (18)
- 2013/08 (22)
- 2013/07 (22)
- 2013/06 (20)
- 2013/05 (21)
- 2013/04 (21)
- 2013/03 (18)
- 2013/02 (19)
- 2013/01 (18)
- 2012/12 (16)
- 2012/11 (21)
- 2012/10 (22)
- 2012/09 (19)
- 2012/08 (23)
- 2012/07 (21)
- 2012/06 (21)
- 2012/05 (21)
- 2012/04 (20)
- 2012/03 (19)
- 2012/02 (18)
- 2012/01 (21)
- 2011/12 (23)
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
