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ゼロからのスタート

間もなく会社は設立32周年を迎える。

過去を振り返り懐かしんだり、思い出に耽るのは性には合わない。
今の積み重ねが未来に続いていくので、今をどう生きるかが大切だと思っている。
しかし、会社設立当時と今と、どんな点が違うのかを考えることは、今を考えるために意味のあることだとは思う。

31年前の今頃、赤坂の10坪ほどのマンションの一室に会社を構えたのだが、事務机ひとつしか無かった。
設立メンバーは6人。
床にゴザを敷き、連日、車座で企画会議をしていた。
仕事が決まっていての会社設立ではなかったので、当然ながら収入はない。

全員が、それまで給料を貰う側の人間で、払った経験はないので、経営のことに関する知識を持っている者はいない。
お金の価値や意味を知らない者たちの集まりだった。

やがて、大型企画がテレビ局に採択され、2時間番組一本、3億円の製作費が約束された。
バブルの時代である。
しかし、半年以上費やした末に、その企画が見事にこける。
虎の子の2000万円の資本金が瞬く間に底を突いた。

お金の工面は社長を引き受けたボクの役目だ。
何とかするしかなかったから、何とかした。

ゼロからのスタートと言えば聞こえは良いが、マイナスからのスタートだった。
しかし、恐れや不安は無かった。
無我夢中でそんなヒマは無かったと言うのが正直だったのかもしれない。
ボクも45歳と若く勢いもあった。

会社にお金が入るまでの間は給料はみんなで我慢することに決めた。
設立メンバーも平然としていた。
お互いに責任を問い合うような、つまらないことは一切起きなかった。
逃げ出そうとする者もいなかった。

やがて、ひとつ、ふたつと企画が動き出す。
そんな調子で10年が経ち、20年、30年と過ぎて今がある。

それまで、本当に数えきれない多くの人たちの力に支えられ、善意に救われて来た。
人並の苦労もして、次第に世間というものを知った。
信頼で結ばれ、苦労を共にした設立当時の仲間6人のうち3名は亡くなり、2人がそれぞれの事情で去って、ボクだけが残っている。
そのボクも間もなく喜寿を迎える。

現在と当時の何が違っているのかは至って明瞭だ。
それは会社の規模だ。
スタッフも増え、仕事量も増えた。
人手を要する大きな仕事もできるようになった。
当然ながら商いで動く金額も次第に膨らんでいる。
会社の責任も大きくなった。

しかし、ただそれだけのことである。
他のことは設立当時と基本的には何も変わっていないことに気づく。

今抱いている夢や希望は当時のままだし、日々しなければならないことも当時と変ることはない。
信頼できるスタッフたちにも恵まれている。
確かに、守らなければならない人たちの数もそれに伴う責任も増えたが、その本質は設立当時と同じである。

ゼロからスタートして、これまで無手勝流で生きてきた。
それが今に続き、その今の連続を明日に続けている。

時代は常に変化する。
バブルの時代に誕生した会社は、激変の中を生き続けてきた。
何とかその荒波を乗り越えてきた。
楽な時代は無かった。

幸いなことに、ボクたちには今日に至るまで大きな成功体験が無い。
頼るべき特別の成功例がない。
毎日がチャレンジだったので、現在もそのチャレンジを繰り返し生き続けている。
そして、その時々の時代に向き合い対応して生きる術だけは会社のDNAに刷り込まれた。
だから、ボクたちは、今更将来への新たな不安や恐れを持つ必要が無いのである。

日日これ新たなり、が鉄則であることを知っているので、時代や環境の変化への適応はさほど難しくはないことも知っている。
立ち止まったり、後ろを向いたり、怠けたり、油断すればたちまち会社は立ち行かなくなるのは当然で、それは昔も今も変わらない。

すべてが初めてのことであると考えれば良い。
一から始めるつもりで対応すれば良い。
いつも初心で、無心に歩めば良いのだ。
それだけでやってきた。
そして、それは誰にでも引き継ぐことの出来る簡単で最善の方法だと信じている。

ボク自身はそれなりの歳をとり、かつての100倍以上の楽をさせて貰っているが、会社の今は設立当初よりもさらに新鮮で生き生き存在していると誇りをもって断言できる。

     「年ごとに 脱皮つづけて 令和かな」


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無題
小田さん
間もなく喜寿を迎えられる🎵~💫と、誠にめでたくお祝い申し上げます。
いつに変わらず、飄々とした名文拝読🦓しました。日野せいどうさん(政道、正道ーー?)が鬼籍に入られて何年かしら?御社創立のメンバーか、早い時期に参加されたか?小生が牛山さんの下に配属された頃、彼は「葉隠れ」を実践されていたように懐かしく思い出します。
閑話休題、健康に留意されて良い番組を製作されますよう。鵜飼崇典
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