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日本丸の沈没は間近か?!

年の瀬もいよいよ押し詰まり何かと慌ただしくなってきたが、毎年この時期になるとボクを待ち構えている仕事がある。
とても楽しいのだが、ちょっとした労力と時間を必要とする作業である。
それは年賀状書きだ。

例年800通ほど書く。
この時代に年賀状などの虚礼はやめた方が良いですよ、と以前に忠告してくれた親切な方もいたが、ボクは虚礼だとは思っていないので相変わらず続けている。

もっとも、中には形式上の挨拶状としての内容のものもあるが、一年に一度の年賀状だけでのお付き合いの地方の方やしばらくお会いしていない人たちも多いので、ひとりひとりの顔を思い浮かべながら語りかけるのも悪いことでもない。
相手によって書く内容や文言も異なるし、印刷だけの年賀状はいかにも味気ないので、手書きにしている。

以前は宛名も書いていたが、数年前から、宛名だけは印刷するようになってずいぶん楽になった。
普段、取引のあるコピー機会社の営業の人からサービスです、と言って頂戴した少し大きめのプリンターがあり、それをキッカケとして宛名書きを印刷に切り替えたのだったが、図体が大きい割には余り機能的ではなく、貰っておいて文句を言うのも気が引けるが、その扱いには苦労した。

メカには滅法弱い。
一年に一度だけしか使わず普段は会社の部屋の片隅に置いてあるのを今年もエンヤコラと力持ちの若いスタッフにデスクまで運んでもらった。
何しろ重いのだ。

手引書のメモを片手に面倒な手順を踏んでやおら印刷を始めたのだが、機械の調子が悪い。
折よく、コピー機会社の営業の人が来社していたので診てもらったところ、新しく買った方が良いですね、といとも簡単に言う。
使い始めて数年経っているとは云え、一年に一度しか使っていないので、印刷した枚数は高々知れたものだ。

何と脆弱な製品なのだろうと思っていると、そばに居たスタッフが「中国製なんじゃないですか」などとつぶやいている。
総務のスタッフが、量販店で買うのが安くて速いと言う。
「明日、買ってきますよ」

翌朝、出社するとデスクに新品の小型のプリンターが用意されていて、業務デスクのスタッフたちが配線などしてくれていた。
日本の某有名メーカーの社名が記されている。
そして、ボディの横に「オルタスジャパン備品NO565」というステッカーがすでに貼られていた。
いいぞ、いいぞ。

簡単そうに見えるプリンターでも、イザ新しい設定となるとそう簡単でもなさそうで、結構戸惑っている。
「制作現場の若い人たちはみんな得意なんですけどね、こういうことは」と女性スタッフ。
業務デスクの人たちは全員が40歳を越えている。
ボクほどオンチでもないだろうが、それほどメカには強くなさそうだ。

あれやこれや、ああでもない、こうでもない、と悪戦苦闘の末、一時間以上かけてやっと使用可能となった。
ボクなど会社のスタッフのお陰でこうして楽をさせて貰っているが、一人だったらまるで何もできないな、とつくづく思う。
まったく生活能力がないのも困ったものだ。

早速刷り始めて快調に事が進む。
300枚ほど刷り終えていた。
「お陰さまで、助かったよ。前のコピー機はしばしば紙詰まりを起こして困ったけれど、やっぱり新品は良いね」とセッティングをして助けてくれた女性スタッフたちに声を掛けた。
「プリンターの機嫌が良さそうで良かったですね」とひとりがニッコリと笑ったまさにその瞬間だった。

いきなりガタガタガタという音がし始めたかと思うと、年賀ハガキを突如送り込まなくなってしまった。
「調子が良いと言うと、決まってこれだよ。不思議だな、いつだってそうなんだ。今日は道が空いていて車の流れがスムーズだな、と口にすると、その瞬間から必ず道が混み始めるんだよな。ホントに不思議だな。ボクの褒め言葉がいけなかったのかな」

それから再びプリンター相手の奮闘が始まり、やがて一枚づつ手差しでハガキを押し込むと何とか印刷できることが判明した。
買った初日から故障するなんて欠陥商品もよいところだが、それにしても、日本の著名なメーカーの商品がこれでは困る。
仮に、実際に作っているのが、たとえ中国であろうが、ベトナムであろうが、れっきとした日本製の商品である。
技術立国の日本の名誉の問題だ。

別に目くじらを立てる気は毛頭ないが、こんな欠陥商品を平気で店頭に並べて商売をしている実態の裏に潜んでいるナニか、が問題だ。
その原因が廉価で販売するために生じたものなのか、製品のチェックが不足していたのか、あるいはもともと設計に欠陥があるのか、それは分からない。

しかし、少なくとも、このメーカーが消費者に自信と責任を持って自分たちの製品を使って貰うのだとの自覚や誇りをすでに喪失しているのではないかとの恐れを抱く。
安かろう、悪かろうの時代は遠い昔の話の筈である。
そして同時に、もしかするとボクたちが体験している欠陥プリンターは、日本製品の象徴的な姿なのではないかとの不安を生む。
ひとり電化製品のみならず、車や建築物や食料や医薬品や、それにボクたちが毎日制作しているテレビの番組までも含めて、その氷山の一角ではないのかとの予感と恐れである。

「それではお先に失礼します」と女性スタッフは少し遠慮がちに挨拶して帰った。
「お疲れさま。遅くまでありがとうね」

さあ、めげずに、とに角、この欠陥商品をなだめながら、少し時間はかかっても、あと500枚、一枚一枚手差しでの印刷を仕上げてしまおう。
そして、明日から、肝腎の裏面の手書きの本文に取り掛かろう。

日本の経済、強いては日本社会の衰退が水面下の深いところで静かに進行しているのではないかとの疑念が杞憂であることを願いつつ。

      「沈没の 予感を胸に 賀状書き」


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