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イチロー選手の最多安打とナショナリズム

「日本の選手が再び金字塔を打ち立てた。日本人として本当に誇りに思う」
これはアメリカ大リーガーのイチロー選手が日米通算4257安打に到達したことを受けての安倍首相のコメントである。

テレビから流れるこの主旨のコメントを聞いた時、ボクは「ムム」」とある種の違和感を覚えた。
この違和感の正体とは一体何なのか。

念のため先に断わっておくが、ボクは自分が日本に生まれたことは良かったと思っているし、日本列島に住む人々と共に平和な暮らしが出来ることを願っているし、そのためにも日本という国を大切にしたいと考えている。
日本国民であるからには、国民として果たすべき義務を全うしなければならないことは当然である。
その意味では、日本という国に住む平均的な民の一人であると自覚している。

そんなボクが安倍首相のコメントに違和感を覚えたのは、短いコメントに「日本」という言葉がやたらに強調されているな、との印象であった。

そして、もっと細かく云えば、「日本の選手」という言葉の意味である。
この「日本の選手」の日本は日本国籍を指すのか、それとも日本民族を指すのか。

仮に大記録を打ち立てたのが、日本国籍を取得したキューバ出身の人物だったら、あるいは韓国籍や北朝鮮籍を持つ日本で生まれ育った在日3世、4世の選手だったら、安倍首相はどういう表現をしたのだろうかとの考えが、ふと頭をよぎる。
そして「日本人として誇りに思う」という言葉にも安っぽいナショナリズムを強調するかのような響きを感じたのである。

イチロー選手はまぎれもなく傑出した才能を持つヒーローである。
彼は日本という枠を超えた所で生き、活躍している。
そこには、安手のナショナリズムが入り込む隙は無い。

「日本の野球界で活躍し、さらにアメリカの大リーガーで大記録を打ち立て、世界の野球界に大きな貢献を果たしたイチロー選手を心より賞賛したい」
とイチロー選手の偉業をなぜ祝福することができないのか。

安倍首相のコメントの主体は、イチロー選手ではなく、日本人に置かれていることは明らかだ。
イチロー選手の偉業を矮小化し、ナショナリズムの材料に利用している感が拭えないのである。

ところで、勉強不足も甚だしく恥じ入るばかりだが、「日本会議」という団体があることをつい先日知った。

「日本会議」は美しい日本を守り伝えるため、誇りある国づくりを合言葉に、提言し行動することを目的として活動する団体だそうだ。
1997年に発足している。

「日本会議」は軍事力増強や緊急事態条項などを重視した憲法改正、男系による皇位継承を目的とした皇室典範改正、公共心や愛国心に基づく新教育基本法の制定、国旗国歌法の制定、総理大臣の靖国神社公式参拝の実現などを目指しているという。
また夫婦別姓やジェンダーフリー、外国人地方参政権、人権機関設置法などには反対を表明している。

この団体を朝日新聞はナショナリスト団体、東京新聞や神奈川新聞は、日本最大の右派組織と報じている。
また、アメリカのニューヨークタイムズは、民族主義組織と記し、イギリスのエコノミストは、伝統的価値への復帰と旧日本軍の悪行への謝罪外交の否定を主張する民族主義的シンクタンクと報じている。

この団体の幹部には、安倍首相を始め、麻生太郎、谷垣禎一、不破茂、小池百合子、管義偉、中谷元、甘利明などの名が続々連ねられている。
そして、第二次安倍内閣の19人の閣僚のうち15人が、第三次安倍内閣の12人を「日本会議」のメンバーが占めているそうだ。

イチロー選手の偉業に関して述べた安倍首相の「日本の選手が再び金字塔を打ち立てた。日本人として本当に誇りに思う」という短い一文に、ボクが違和感を覚え、同時に胡散臭いナショナリズムの匂いを嗅いだその理由の背景に、こういったナショナリストの思想集団の存在の意志が反映されていることに、ボク自身不覚にも初めて気づかされたのだった。

そして、これが現在、日本を右傾化に導いている正体そのものであることを知ったのである。

参院選が始まった。
この選挙の結果が日本の今後の国の在り方のターニングポイントになることは間違いない。

      「侘びや寂び 誇らぬ日本の 伝統は」


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