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市原悦子さんの一人芝居②

先週のつづきで、市原悦子さんについて。

紙芝居「黄金バット」の後に、浅野温子ら3人の女優さんたちの朗読劇が続き、歌手の西城秀樹が登場した。
今年60歳を迎えた西城秀樹は、これまで2度の脳梗塞を患い、右半身マヒの後遺症があり、現在も闘病中とのことである。

幕間の休憩が終わり、改めて幕が上がると、まずデビュー曲「恋する季節」を披露した。
これまでテレビでしか知らなかったが、歌の上手な人である。

一曲を歌い終わった後、彼は詩人・高村光太郎の「道程」を朗読した。

    いきなり「歩け」という声につらぬかれた

    僕は 武者ぶるいをした
    僕は 子供の使命を全身に感じた
    子供の使命!

    僕の肩は重くなった
    そして もうたよる手が無くなった
    無意識にたよっていた手がなくなった

    僕の前に道はない
    僕の後ろに道は出来る

実際の「道程」の原作の詩は長いものだが、この朗読では何か所からの抜粋と文章のつなぎ合わせで構成されていた。
1分足らずの短い朗読だったが、西城秀樹は、その朗読の随所で発音に苦労している様子がうかがえた。
しかし、新たな構成で綴られた「道程」の詩の内容が、必死に生きようとしている西城秀樹の現在と重なり、ろれつに苦しむ、その懸命さが胸を打った。

この日のために、日夜練習を重ねたであろう浅野温子を含めた3人の女優さんたちには大変申し訳ないが、彼女たちの必死の演技よりも朗読に関しては素人である西城秀樹の、ある意味拙い朗読の方が力を持っていたのは皮肉である。

そういえば、これまで何度となく色んな方々の朗読劇を観てきたが、そのほとんどが退屈で、何か演劇学校の学芸会を見せられているような気がしたものである。
演じている人は一生懸命なのは分かるが、ただ一生懸命さだけを見せられてもねぇ、と思ってしまう。
観客の気持ちよりも演じている自分の方を大切にしているように感じることが多かった。

しかし、この公演のトリを演じた市原悦子さんの朗読劇は、まったくそれらとは違っていて、ボクを魅了した。
朗読劇の本当の面白さを教えていただくことができた。

達人というのはこういう人のことを指すのだろう。
まもなく80歳というお歳にもかかわらず、あの童女の如き可愛らしさと愛くるしさはどこから来るのだろう。

気負いを感じさせない、流れるような自然体の演技の裏には、計算し尽された演出が隠されているのだろうが、本人自身が朗読することに喜びを感じ、楽しんでいるように見えた。
彼女の朗読を聞いていると、お話の内容が立体的で映像として浮かんでくるから不思議だ。

実は、ボクが市原悦子さんの舞台を観るのはこれが初めてのことだった。
テレビドラマでも円熟した演技をみせているが、このひとは舞台が本当に良く似合う。

終わりに、「涙そうそう」など何曲か歌われた。
お世辞にも上手とは言えないが、これも彼女ならではのご愛嬌である。

2時間半余の時が流れ、ボクたちは温かい気持ちをもらって帰路についた。       

      「歳重ね 生きる楽しみ 教えられ」


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