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決算の季節

またもや決算の季節がやってきた。

わが社は9月を決算の締めとしている。
つまり、昨年の10月から今年の9月までが、わが社の経理上の一年となる。
この間の収支を基にして決算書を作成するのだが、見通しとしては収支トントンという所に落ち着くだろうと推測している。

それにつけても、毎年のことだが、胃が痛くなる思いをするのはテレビ局から頂く制作費のことである。
各テレビ局による制作費の削減は何も今に始まったことではないが、実に厳しいものがある。

「百姓は生かさぬよう、殺さぬよう」との俗に伝えられている徳川家康の言葉ではないが、この言葉はそのまま、町場の制作プロダクションにはリアリティーをもって迫ってくる。

10年前と比べると局からの制作費は少なく見積もっても半分以下になっているし、メディアによっては、それよりももっと大幅な減額が行われている。
本当にこの制作費で面白い番組を作り、責任をもって視聴者に提供できるのか、との疑問を常に胸に抱きつつ、それでも必死でこの仕事に取り組んでいる。

NHKを除く東京キー局の四半期ごとの決算内容を見ていると、好調な局と不調な局はあるが、ボクたちからみれば、それぞれ大きなあるいはそれなりの利益を上げている。
ああ、収奪の構造の下でボクたちは仕事をしているのだなと実感する。

この構造は一部大企業とそれを支える下請けの中小零細企業群の宿命的構図そのままである。
しかし、嘆いていても何事も進展はないので、その中でどのように生き抜けば良いのかを考えることになる。

元来、番組を制作したいとの思いや衝動を持ち、この仕事に従事している制作者たちのほとんど多くは、制作の仕事がたまらなく好きだからであり、曲がりなりにも表現者としての自分の存在に喜びを見出している者たちである。

自分の思いや考えを表に出して生きて行ける仕事は世の中にそれほど多くはない。
その意味では、制作の仕事に興味を持ち、それを成就することで、同時に生活の糧を得ることができることほど、幸せなことはない。

そんな仲間の集団だから、どうしても制作する番組の内容重視で、お金は二の次ということになる傾向がある。
好きで仕事をしていることは素晴らしいことなのだが、経営上の観点から見れば、同時にそれがボクたちの最大の弱点にもなっている。

テレビ局の人たちもそれをよく知っている。
だから、テレビ局にうっかり弱音でも吐くと「別に嫌なら良いよ。他にやりたいと言っている制作会社は沢山あるからね」ということになりかねない。

それまで共に汗を流して制作に携わっていた仕事仲間だと思っていたのに、突然クライアントに豹変するのである。
これは恐らく、テレビ業界に限らず、どの業種にも共通することではあろうと思うから、あらためて驚くことでもないが、用心々々である。

とにかく、良い番組を作りたいとの思いが先行して、予定していた以上のお金を使うケースが多々出現する。
月に二度行っている経営会議で、社外取締役や監査役などから、この点についてしばしば厳しい指摘を受けることになる。

決算を前にしての、先日の経営会議でもこのことがテーマとなった。
「社長はブログで安倍政権のことをいろいろと厳しく批判しているが、自分の会社のスタッフのお金に対する無責任体質をどう考えているのか」との監査役からの鋭い突っ込みを受けたりする。
確かに一理あるので、ボクは苦笑いするしかない。

そして、今後の半年間は特に収益をアップさせるための強化期間として、ボクたちの最大の弱点である予算管理の意識の変革に力を注ごうということになった。

その議論の中で、若い取締役から、たとえば赤字番組を黒字にすることができたり、その取り組みに実績を上げたりすることが出来た者には報奨金を出すなどの制度を作るべきではないか、との意見が出た。
これに関しての賛否両論の侃々諤々の議論が面白かった。

ボーナスなども能力に応じて査定すべきだ、との意見もだされたし、能力に応じた報奨金は必要だとの意見もあった。
わが社では、夏と冬に2回、僅かながらだが一時金を支給している。
これは基本的には査定はなく、一律定額支給の形をとっている。
給料に関しても査定という考えは取り入れていない。

スタッフ個々には才能の有無や能力の差があることは当然である。
しかし、どのスタッフもそれぞれの能力に応じて出来る限りの努力をして懸命にがんばっている。
そのことが素晴らしい訳で、結果は別の問題であると考えている。
だから、査定をしないとボクは硬く決めている。

監査役からは「金銭的インセンティブは、必ず会社の荒廃を招く。『能力に応じて働き、必要に応じて受ける』を社是とするべきだ」との意見が出された。
ボクも全く同感であるし、これまでそうして来ている。

わが社では、月に一度必ず行う全体会議で2~3名に社長賞と企画賞を出すことは決めている。
たまに該当者なしのケースもあるが、それで賄えば良いことである。

インセンティブは必要だが、それを金銭にしてはいけない。
それならば、初めからこの仕事をしていないからである。

   「今日生きる お金があれば それでいい」


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