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テレビ局の自覚を求める

今月17日、自民党はNHKとテレビ朝日を呼びつけ、番組制作についての事情を聴いた。
これは、まさに事件と言っても過言ではない、大事件である。

周知とは思うが、両テレビ局が呼ばれた事情とはこうである。

まずNHKの場合は、昨年5月14日に放送された「クローズアップ現代」で、いわゆる“やらせ”があったことが、週刊文春のスクープで発覚した。

NHKの記者が詐欺に携わったという架空のブローカーを仕立て上げ、知り合いの者に演技を頼みインタビューしたものを放送したというものである。
NHKは当初、否定したが、その後事実を認め、現在さらに調査中である。

一方、テレビ朝日は、「報道ステーション」の生放送で、レギュラーコメンテイターを務めていた元経済産業省の官僚であった古賀茂明氏が番組の降板に当たり、「これまで菅官房長官をはじめ、官邸にはものすごいバッシングをうけてきた」と同番組の放送の中で、首相官邸を痛烈に批判するという出来ごとがあった。

自民党の情報通信戦略調査会は、このふたつの件で、NHKとテレビ朝日の関係者を呼んで事情を聴くことになったのである。

問題になっているNHKの“やらせ”事件については、演出の範囲を遥かに超えたねつ造であり、NHK側に弁解の余地は無い。

“やらせ”については、制作者によって見解が異なるところだが、ボクは、再現までは演出の許容範囲であると考えている。
しかし、今回NHKが指摘を受けたケースは全くのねつ造であり、視聴者の信頼を大きく裏切ることになった。

しかし、これはNHKがしっかりと事実関係を調査し、二度とこのような不祥事が起きることの無いように処置し、それを視聴者に報告すれば良いことであり、いかに政権与党とは言え、一政党である自民党に呼びつけられなければならない事案では全くない。

「報道ステーション」のケースに到っては、放送予定になかった発言がハプニングとして生放送中に起きたことは、視聴者に何らの迷惑を掛けることでもなく、問題にするとすれば、番組担当者が、出演者であるコメンテイターをコントロールできなかっただけのお話にしか過ぎない。

これは、局内で議論し解決すれば済むことである。
たまたま、その発言内容が、時の政権の言論機関への介入を暴露するものであっただけで、それに対して、テレビ局を呼びつけて、さらに圧力を掛けようとする自民党の行為は明らかに行き過ぎであると同時に、はからずも、言論弾圧の実体を自ら認めたのも同然の結果となった。

NHKの“やらせ”はあってはならないことである。
また、「報道ステーション」のケースは、表向きは、どうということでは無いようにもみえるが、日頃の古舘伊知郎キャスターの発言に政府から大きな圧力がかかり、古舘伊知郎キャスターを降板させろとの強い要望をかわすために、局の幹部が、その身代わりとして、コメンテイターの古賀茂明氏を降ろすことで決着を見た、との噂もある。

その真偽は定かではないが、このように、NHKもテレビ朝日も、脛に傷を持つ、いわば弱みを抱えているために、そこを自民党に突かれる格好となった。

本来ならば、一政党からの恫喝を目的とした呼び出しに対しては、毅然として拒否しなければならないマスコミが、その軍門に下ることとなった。

うがった見方をすれば、天下のNHKと、現政権に最も批判的なテレビ朝日を自民党が見せしめとしてやり玉に上げたようにも受け取れる。

安倍政権の言論機関に対する、なりふり構わぬ介入や圧力、恫喝は、戦後政治の中でも特筆に値するほど強いものであることは、今さら改めて論ずるまでもなく、あまねく知られていることではある。
いかにもファッショ的である。

しかし、本来、権力とはそういうものである。
時の政権のそういった弾圧は決して珍しいことではない。

しかし、その弾圧に屈することなく、むしろその弾圧を告発し、戦う役目を担うべき言論機関が、安々と白旗を掲げたのでは話にならない。
自らが言論の自由を放棄することに他ならないからである。

戦後70年。
今の世の中の在り様を含めて、ジャーナリズムがいかに機能するべきかを、特にジャーナリズムの世界に在る者は、真正面から取り組まなければならない課題であると考える。

   「身を捨ててこそ 浮かぶ瀬もあれ テレビかな」




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