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中国からの来客

先週、中国の天津から妻の姉夫婦とその友人が来日し、一週間ほど滞在した。
妻は5人姉妹の2番目だが、長女である姉夫妻が、休暇でやってきたのだった。

姉夫婦は天津で事業を営んでいる。
韓国の大手企業「現代」の自動車部品の製造会社を営むかたわら、今回一緒に来日した友人と運送業を共同経営している。

友人の手腕も大きく、この10年で、トラック180台を有し、1000人の従業員を抱えるまでの、天津では大手の運送・流通会社に成長させた。

姉夫婦は、かつては決して裕福ではなく、15~6年ほど前には夫婦で日本に稼ぎに来ていたというが、中国の経済成長の波に乗ることにうまく成功し、今では、金持ちの仲間入りを果たした。
彼等は北京から日本までのたかだか3時間足らずの空路をファーストクラスで来たと何でもないように話す。

妻とその姉妹たちは長女を除いてみんな大学を出ている。
姉はそのことを残念に思っているというが、そういう時代であったのだろう。

姉の亭主も友人である共同経営者のRさんも学歴がある訳ではない。
Rさんは9人兄弟で10年少し前までは貧しかったと云う。
「自分たちの知っている人たちで、現在成功して金持ちになっているのは、その全員が、昔は貧しかった者ばかりだ」とRさんは云った。

「大学出の優秀だった者で金持ちになっている人を知らない。自分などは小学校時代から勉強ができずに、いつもクラスでビリだった」と誇らしげである。

いかにも田舎から出て来たという風情で風采は上がらないが、商売で成功したとの自信に満ちている。
Rさんの腕には、来日したその日に、銀座で購入したという高級腕時計が光っていた。

そう云えば、何十年か前、日本がバブルを体験する前だったと記憶しているが、ボクの大学時代の同級生で、大手新聞社の記者を辞めて、大物右翼の一族と云われていた人物が経営するN興業に引き抜かれて転職した友人が、つくづくと言っていた言葉を思い出す。

「日本の金を本当に動かしているのは、大学など出ていない連中だよ。われわれのように中途半端に学歴のある者はひ弱で、金の世界ではとても太刀打ちできないよ」
当時も今も、金銭そのものにはほとんど縁が無く、したがって当然ながら貧乏暮らしに慣れているボクなどは、へえー、そういうものなんだな、と妙に納得したものである。

ここ4~5年の間に、妻の親や姉妹たち家族への挨拶や、姉夫婦の娘の結婚式に招待されるなどで、2度ほど姉夫婦の住む天津の超高層マンションを訪れたことがあるが、バスルームが3つもある豪華マンションで驚いたものである。
噂に聞いていた中国の発展ぶりは、予想を遥かに超えたものだった。

当時、姉の亭主、つまりボクの義兄にあたる訳だが、彼はトヨタの高級車に乗っていた。
その後、尖閣問題が起き、日中の関係が極端に悪化し、日本製の車に乗っていることに危険を感じて、現在はベンツに変えたという。

その後、姉も自動車免許をとり、車を買った。
夫婦がそれぞれ一台づつ、それぞれの車を転がしている。
嫁に出したひとり娘にも高級車を買い与え、若い娘夫婦も2台の車を持つという豪勢さだ。

子供の頃、アメリカでは、一家で何台も車を持っていると聞いて驚いていたものだが、現在の中国は、それと同じようである。

ボクたち夫婦が訪中の際、姉夫婦には至れり尽くせりの世話になったこともあり、今回、彼等の日本滞在中は、思い付く限りの礼を尽くし、心からねぎらった。
妻は勿論のこと、ボクにとっても、姉夫婦はとても大切で、愛しい人たちである。

義兄は56歳、姉は51歳。
本当に素朴で礼儀正しく善良な人たちである。

共に、三代前に朝鮮半島から中国の旧満州に渡り、漢民族が支配する異国の地でがんばり抜いてきた子孫である。
朝鮮民族に対しては、日本でのように特別の差別は無かったとは聞くが、言葉では言い尽くせない、さまざまな苦労があったであろうことは想像に難くない。
姉夫婦のこれまでの努力や苦労が、どういう形であれ、報われたことは本当に嬉しい。

しかし、経済発展を続ける中国だが、金に頼る世界はいつどのように変転するかは分からない。
日本人の多くも、日本の経済成長期からバブルに到る時代を経験し、多くの悲劇も目の当りにしている。

裕福な時代を体験した者は誰もが一度は通る道だが、豊かさを金で測るという感覚に陥る危険は、余程の自覚が無いと避けることはできない。

栄枯盛衰、栄えれば必ず滅びる。
栄えぬよう滅びぬように生きることは、実際には難しい。

お金では買えない価値を見つけ、それを身につけることもまた難しい。
しかし、ボクたちは、その大切さをすでに知っている。

姉夫婦には、日本での休日を十分に満喫して帰国して貰えたと思っている。
まだまだ若い彼等の前途が幸せであることを心から願っている。

      「栄えれば 奢る平家の 落人に」


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