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ボクたちの株主総会

昨日、わが社の株主総会があった。
設立して以来、28回目となる。

上場している訳でもないので、株主総会と云っても、参加者はいつもの顔馴染みの人たちばかりなので、特別に緊張するといったことでもないのだが、それでも改まった気持ちにはなる。

9月決算なので、毎年、株主総会は12月に行っているが、この行事を迎えると今年もいよいよ師走だとの感を深くする。
あとは、暮の忘年会を終えて、いよいよ今年が終わる。

お陰さまで、今回の決算では、黒字を計上することができた。
売上高は前期よりも少しばかり落ちたが、利益は伸びた。
減収増益ということになる。

言うまでも無く、増収増益が望ましいが、減収にもかかわらす利益が増えたのは、経費削減の成果が上がったということで、これはスタッフの努力のたまものであり、実に喜ばしいことだ。

この経費削減という当たり前のことがプロデューサーやディレクターに浸透するまでには、それなりの時間とエネルギーを必要とした。

お恥ずかしいお話であるが、わが社では、永い間、予算管理が杜撰で、ずっと赤字すれすれの経営を続けて来ていた。
その根本は番組制作費の使い方にあった。

簡単に表現すると、ひとつの番組を制作する際に、その番組を納得のいく番組にするためにと、その番組に使える予算以上の制作費を費やしていた。
そして、良い番組を作るためには、お金がかかることは当然のことで、仕方のないことであると考えていたのだった。

テレビ局から支払われる金額よりも多くのお金を使ってしまうのだから、会社が赤字になるのは当たり前のことである。
しかし、どのスタッフも、番組作りが好きで、良い番組を作るために必死になり、身を粉にして頑張っている。
その情熱やエネルギーには、尊く、素晴らしいものがあり、大いに共感できるものがあった。

実際に、これまで、良い番組を作ることもできて、ある程度、テレビ局にも満足してもらえ、多くの賞もいただいてきた。
しかし、経営的には、こうして、スタッフたちが、番組作りに懸命になればなるほど、会社の赤字が大きくなっていたのだった。

ボク自身もかつては永く番組の制作現場にいたこともあり、そういった制作スタッフの気持ちは痛いほど分かることが、実は問題だった。
経営する立場にありながら、どこかで、そんな制作スタッフを支え、彼等を助けたいとの気持ちが働き、何とかしようと資金を工面するという悪循環を繰り返していたのだった。
責任の大半は、スタッフよりは、ボクにあることは自覚していた。

しかし、それにも限度があった。
番組の数が増し、スタッフの人数も増えてくると、その金額も大きく膨らみ、いつまでも赤字制作を続けて行くことは無理になる。
その緩和策として、事業的観点からの収入を得ようと、企画実現部という部署を数年前に新設していたが、これも、結局は挫折した。

そして、いよいよ、3年ほど前から、それまでの方針を大きく切り替え、健全経営に本格的に乗り出すことにしたのだった。
これまでに無かった、財務という考えを持ち込むことにした。
財務担当の取締役を新任して、全社を挙げて、経費削減を徹底した。

番組制作に当たっては、その番組に使える経費を試算し、その範囲内で番組を制作するとの努力目標を作った。
時間はかかったが、スタッフも本気で取り組んでくれた。

こんなことは、どこの会社でも当たり前に行っている基本的なことである。
当たり前の会社になるのは面白くないので、ボクはこれまで敢えて行わなかったのだったが、背に腹はかえられなかった。
利潤の追求に夢中になることが一番怖かったからである。

こうして、3年余が経ち、今回の株主総会を迎えたのだった。
まだ緒に就いたばかりだが、ある程度、経営は安定の方向に向かっている。

それは、ある面では喜ばしいことである。
しかし、恐らく、安定経営で得るモノと失うモノがある筈である。

ボクが絶対に失いたくないモノ、それは野人の精神である。

      「幸せだ みんなそろって 平和ボケ」


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