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大きな組織と小さな組織

20数年前にボクを含めて総勢6人のスタッフでオルタスジャパンをスタートした当時は、組織としての会社とはどういうものなのかを含めて特別な認識など全く無かった。

明日からの具体的な計画も無ければ保証も無く、プロダクション経営のためのノウハウも、また裏付けも全く無かった。
脳天気で無責任なスタートだと云ってしまえばそれまでだが、今から振り返ると、それが若さであったのだと思う。
下手をすると若気の至りにもなりかねなかった。

不安が全く無いという訳でも無かったが、正直、不安という点では現在の方が、大きいのかもしれない。
何とでもなるよ、という当時の時代の風潮もあった。

とにかく、会社設立当時は、そんなことは一切お構いなく、無手勝流のエネルギーだけがあった。
それは、ドキュメンタリーを中心とした番組を制作したい、との強い意志から生まれてくるエネルギーであったのだと思う。

会社設立に参集したメンバーの、それぞれの動機は異なってはいた。
ボクの場合は、これまでにも少し書いてきたように、日本テレビでは過激な凶状持ちとして制作現場から外され、番組が作れなくなっていた。
番組制作ができなくてテレビ局に在籍する理由は無かった。

あとのスタッフも日本テレビの職員や関連のスタッフたちだったが、似たような事情を抱えていたようである。
ただ、皆に大きく共通していたのは、ドキュメンタリー番組を制作したいという強い思いだった。

暮らしは勿論大切には違いなかったが、お金儲けをしたいとか、良い暮らしをしたいとかよりも、自分たちが満足できるような番組を制作したいとの考えが先行していたことである。

それから、20数年。
設立メンバーの3名は亡くなり、2名がリタイアし、ボクだけが残っている。

スタッフはいつの間にか70数名に増えた。
信頼できる仲間も増えた。

その間、税務調査や労働基準監督署、中小企業庁の調査などの洗礼を幾度か受け、嫌でも会社としての体裁が整って来てはいる。
しかし、自分でも驚くほどだが、この会社の中味や存在の形は設立当時から何一つとして変わってはいないのである。

設立当時の精神の根本に変化がないので、外見が会社風になっても、番組の制作にかかわる姿勢や考え方は一貫して昔と同様である。
社風というのか、もしオルタス精神というものがあるとすれば、それは設立当時から変化はなく、その意味では全くブレはない。

別の見方をすれば、企業としての成長はないとの評価を受けるかもしれないし、進化がないと云われるのかもしれない。
経営体としてはいかにも幼い。
それが証拠に、いつまで経っても貧乏だし、儲けることが下手である。

しかし、開き直って云えば、それが創業精神なのである。
もともと、儲けるために始めた仕事ではない。
そして、なお云えば、儲けることは罪悪のひとつだとさえボクは考えているのだ。

テレビジャーナリストの端くれとして、誇りある仕事をし、視聴者に喜んでもらい、それをボクたちの喜びとする。
メシは食べなければならないが、貧しさの中に身を置くことにより、良い仕事が出来ると信じているのである。

そして、これまでブレないで過ごしてこられたのは、ボクたちの組織が小さい組織だから可能だったのだと考えている。
これが、社員が何百人という規模の大きな組織だとそうはいかないだろう。

大組織の経営陣や、その中で働くスタッフが、ひとつの生き方や哲学をずっと貫き通すことは至難の業ではないであろうことは、想像に難くない。
ボクたちのような小規模零細の会社の強みがそこにある。

しかし、一方で、時間の経過と共に組織は膨張していく。
大きい組織だから出来る仕事もある。
量は質を規定し、同時に質は量を規定する。

事実、ボクたちの会社もボクが想定していた限界のスタッフ数の70名を越えた。
70名までならば、ひとりひとりの顔が見えるとボクは信じて来たのだった。

今後、経営的な側面と、また、自分たちの考えに基づいた生き方をしていくという側面の、その両方を実現できる会社規模はどうあるべきかをそろそろ考える必要がありそうである。

   「小さきも 大きも悩み 抱えおり」


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