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スタッフとの信頼関係

ボクたちが仕事をしていく上で大切な事柄は多くあるが、その中でも信頼関係が何にもまして大事である。

社内のスタッフの間でも、また制作過程でのカメラマンや編集者との間でも、また局のプロデューサーとも、クライアントとも、取材対象者とも、とにかく信頼関係が揺らぐとすべての仕事に支障を来すことは当然のことである。

この、ごく当たり前のことが、実際には、なかなかすんなりとはいかないことが多い。
特に、新たな戦力にと、フリーの社外スタッフを起用した時にトラブルが起きることがある。
つい先日にも、困った出来ごとがあった。

出来る限り、番組制作は、気心と、その実力のほどが把握できている社内のスタッフに担当させることが望ましい。
それは、それぞれの番組と見合ったスタッフの適正に応じた配置が出来るし、また、経済的な意味でも有効である。

しかし、番組制作を行う上で、急を要する場合や、また新しい才能を起用したい時があり、そんな場合はフリーのディレクターに仕事をお願いすることになる。

そういう意味では、フリーのディレクターを起用するのは、たいていの場合は非常時であるというのが正確かもしれない。
そして、往々にして、トラブルはこういう時に起きる。

今回の困った出来ごとは、やはり初めて起用したディレクターとの間で起きた。
初めてのディレクターの場合でも、普通は誰か信頼できる人の紹介があるのが普通なのだが、今回の場合は違っていた。

半年ほど前、一通の履歴書がボクの手元に届いた。
履歴書を見る限り、40代前半の情報番組の手練れのディレクターだった。
ボクは興味を覚え、面接した。

いかにも情報番組のベテランらしい、ドキュメンタリー系のディレクターとは異なった匂いがしている。
その匂いの違いを説明するのは難しいのだが、とにかくボクたちよりもテレビ屋風というのだろうか、ボクたちドキュメンタリー系の制作者たちは、良く云えば、テレビをジャーナリズムとして捉える傾向が強いが、情報系の制作者たちはより、エンターテインメントとしてテレビを考えている、と云えば良いのだろうか。

彼は、情報系には違いなかったが、ドキュメンタリーにも興味を持っていた。
概して、ドキュメンタリーのディレクターは演出力に欠ける場合が多い、とボクは思っている。
糞リアリズムとボクは悪口を言っている。

彼のような情報系のディレクターを仲間に入れて、番組を面白く見せる演出法をわが社の番組に取り入れたい、とボクは思っていた。
彼ならば、ボクの期待に応えてくれるだろうと確信した。

そしてある番組のチームのスタッフの一員に加わってもらうことにした。
企画会議にも参加してもらい、2カ月ほど、調査など、ある程度の試走期間を経て、取材に出てもらった。
その意味では、彼の起用については、それなりの手順を踏み、慎重を期したつもりだった。

しかし、放送を三週間後に控えた、ある日突然、ディレクターを下りると言い出した。
表向きは、チーフディレクターとのやりとりに不満があるという理由のようだったが、事情を聞くと、われわれが要求するドキュメンタリーの手法にどうやらついていけない、ということのようだった。

プロデューサーやチーフデイレクターとの話し合いはしたものの、結局は物別れに終わり、一方的に下りると宣言し、そのまま姿を消すという、云わば敵前逃亡のような幼い行動で、呆れるしかない。
実は、彼は、取材する予定の相手に取材の了解をとりつけることが出来ずに困っていたのだということが分かった。

わが社のチーフプロデューサーが改めて、その取材相手を口説き落とし、取材の了承をとりつけ、現在無事に取材を続けている。

お粗末なお話ではあるけれど、何とも情けないことだと思う。
彼は、と見込んだボクの人物を見る眼も甘いが、ボクが彼にかけた信頼が、見事に裏切られたとの思いである。
何だか、人間関係の初歩のところで躓いているようで、何とも味気ない。

これまでにも、何度か同じような失敗を繰り返してはいるのだが、ついつい同じような選択をしてしまうのは、ボク悪いクセである。
今後は気をつけよう。

それに比して、こういう事態に冷静に対応し、無事に処理したプロデューサーとチーフプロデューサーらベテランの存在は、さすがに20年選手の実力で、実に頼もしいものがあった。
以前にもまして、彼らとの信頼関係は、二倍にも三倍にも強いものになったことは怪我の功名である。
 
  「馬鹿社長 勘弁してよと プロデューサー」


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