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BS放送の視聴率

これまでテレビの視聴率は、地上波だけで調べられていたが、来年の4月からBS放送の各番組でも地上波と同様に、視聴率調査が取り入れられることになった。
実際には、今年9月から試験的に実施されるらしい。

ある意味では、これでBS放送も一人前になった、とも考えられるが、このことは、どんな結果をもたらすことになるのだろうか。

一般的に、視聴率の持つ意味は、NHKと民放では大きく異なっていた。
NHKの場合は、NHKと契約を交わした一般の国民からの聴視料で番組を制作し放送しているので、それらの視聴者からの不満が表面化しない限り、視聴率が高くても低くても、当面は、何の問題も起こらない。

一方、民放の場合の視聴率は、番組の命を左右する、もっとも重要な要素となる。
番組の制作費を払っているのはスポンサーなので、その番組の視聴率が悪いと、内容の良い悪いに関係なく、スポンサーはその番組を打ち切るケースが多い。

スポンサーは、より多くの人たちへの宣伝効果を重視するからである。
だから各民放テレビ局は、スポンサーを確保するために、これまでずっと視聴率競争に明け暮れて来たという歴史がある。

ことに、テレビ局とスポンサーの間に、代理店という存在があるので、この視聴率の問題は、さらに増幅されて複雑となる。
それ程に、視聴率というのは民放のテレビ局にとっても、制作プロダクションにとっても、また、ある場合は代理店にとっても厄介な存在なのである。

理屈だけで云えば、放送された番組をどれだけの数の人々が視ているのかの、より正確な人数を把握するのは、実に自然なことである。
そして、テレビ局などの番組の送り手は、出来るだけ多くの人たちに視てもらえる番組を放送したいと考える。
これも至極当然である。

ここに、多くの観客を期待するスポンサーの思惑が加わると、高視聴率をとることだけが先行し始め、テレビが本来果たすべき役割が見失われて行くことにもなる。

ややもすると、視聴率が優先し、番組内容がゆがめられたり、偏ったりする。
テレビ画面がバラエティーに埋め尽くされる、というような現象も起きる。
時には、俗悪との評を受けることにもなる。

すべてが低きに流れる。
悪貨は良貨を駆逐するとの例えもある。
こうなることを見越して、大昔に、テレビを「一億総白痴化」するものである、との名言を吐いた評論家もいた。

これは、良くも悪くも、視聴率がもたらす必然の形のひとつである。
その結果、若者たちのテレビ離れを引き起こす一因ともなっているし、また中高年の視聴者も地上波のテレビに視たい番組を見い出せず、多くの人たちが、視聴率に捉われず悠々と放送しているBS放送に流れる傾向にある。
実際には、視聴率の負の部分が大きいのが現実だ。

しかし、これまで、そんな悪魔的な存在である視聴率から、自由でいられた存在のBS放送が、来年の4月から、本格的に視聴率の洗礼を受けることとなる。

当然の帰結として、スポンサーの要望は強まり、BS放送でも現在の地上波同様、視聴率競争が繰り広げられるに違いない。
しかし、その愚を繰り返さないための知恵と工夫が必要である。
地上波とBS放送のチャンネルのそれぞれの役割の分担を用意しなければならない。

もしかすると、これまでの地上波放送はBS放送にとって代わられ、ローカル化するのかもしれない。
選挙と地方のニュースが主なる仕事になるのだろうか。

いずれにしても、現在のBS放送がかろうじて持っている、ゆったりした時間の流れや、知的エンターテインメントの魅力が失われて行くことをもっとも恐れている。

   「視聴率 花も嵐も 踏み越えて」


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