FC2ブログ
ホーム   »  ドキュメンタリー  »  これまで一番楽しかったイタズラ

これまで一番楽しかったイタズラ

今日のブログは、恐らく、ヒンシュクを買うことになると思う。
もしかすると、本気で怒りだす人がいるかもしれない。

しかし、これは、これまでボクが体験した中で、一番楽しく面白かった遊びのお話である。
本音を云うと、また機会があればやりたいと思うのだが、ちょっとした気力とエネルギーを要するイタズラである。

昔、よく公園などのハトにエサを与えるハトおじさんが話題になったことがある。
また、近所の野良猫にエサを与えるネコおばさんなどもいた。

最近では、神社の境内や公園などでよく見かけたドバトも、糞の害や病気などの理由で有害駆除の対象となり、以前ほどその姿を見かけなくなったし、同じような理由で野良猫も少なくなってきた。

当然ながら、それら有害駆除の対象となっている生き物にエサを与えることは反社会的行為となり、その禁を犯す者は批難の対象となっている。
ボクの遊びは、そんな反社会的行為にあたる。

ボクの場合は、ハトや猫ではなくて、もっと人々から毛嫌いされているカラスへのエサやりだった。

ハトは投げたエサを空中でキャッチすることはできないし、表情が乏しい。
一方、カラスは見事にエサを捉えるし、その表情は実に豊かである。

10年ほど前、ボクはまだ当時は幼かった孫娘を連れて、南こうせつのフオークソングで知られる神田川の上流沿いにある大宮八幡宮の森にしばしば行った。
普段は余り、人の訪れることの少ないその森には、カラスが群れで住んでいた。

何度か行くうちに、カラスたちはボクの顔を覚えて、三々五々集まって来る。
彼らの目的はボクの持っている食パンである。

それをちぎって投げるとカラスたちは競って空中でキヤッチする。
そのうちに、どこからとなくカラスたちが数百羽となく現れ、あたり一面が真っ黒になる。

それでも、カラスたちは用心深くてボクや孫との距離を一定に保ち、ハトのように肩や手に乗って来るようなぶしつけな真似はしない。
慎み深く行儀が良い。
じっと順番を待っている。

そして、カラスを近くで見ると実に可愛い顔をしている。
大きい者も小さいのもいる。
すばやくサッとエサを獲る者もいれば、動きが鈍く、すぐ目の前の空中で横取りされる者もいる。
大人に混じって子供もいて、余りの多さに一羽づつの顔つきの違いこそ分からないが、それぞれの個性も見えて面白い。

4~5斤の食パンはあっという間に無くなってしまう。
孫もカラスたちと仲良くなったものである。

ここまでは、特別にどうというお話ではない。
有害駆除対象のカラスにこっそりエサを与える不届きなオヤジに過ぎない。

そのうち、新宿御苑にもカラスがいることを知った。
新宿御苑は天皇が園遊会を催したりする名庭園で、家族連れや恋人たちが多く訪れる観光地でもある。

大都会新宿の中央にある森は人々の憩いの場であると共にカラスたちにとってもおそらく快適な休息の場なのだろう。
しばしば通っていた大宮八幡宮の森ほど多くはないが、新宿御苑にも100羽を越すカラスたちがいた。

御苑のはずれにある林まで来る人は少ない。
そこにいるカラスに用意して来た食パンを与えると、その情報を聞きつけてカラスたちが集まって来る。

そのほど近くに池があり、大きな鯉がゆったりと泳いでいる。
橋の上からエサを投げると何十匹もの鯉が先を争ってそのエサを奪い合う。

ひとしきり、カラスたちと遊び、残った食パンを池の鯉にやろうと孫と2人で池の方に移動したところ、カラスの一団がぞろぞろとボクたちについて来た。
橋から鯉に食パンを投げると、水面に落ちる前にカラスがサッと奪って行く。
それが面白くて孫と夢中になっていて、ハッと気付くと、橋の欄干に数十羽のカラスがとまっていて、遊びに来ていた人たちが、その異様な光景に驚くこととなった。

ヒッチコック監督の映画「鳥」ではないが、ハトやすずめなどならまだ穏やかだが、カラスとなるとその身体は大きいし、色が黒いので皆が怖がっているようだった。
さすがに気が引けて素知らぬ顔をしたが、期待してエサを待ち構えているカラスたちはしばらく動こうとはしないのだった。

そして、何日か過ぎると、またカラスと遊びたくなり、孫もその遊びを喜んだので、新宿御苑に行ったものである。
しかし、そのうちに人々の批難の視線が鋭くなるように感じられるようになり、ボクもついつい気弱になり、この迷惑なイタズラをやめることにしたのだった。。

そういう状況の中ではカラスは悪さをしないし、人を襲ったりすることもなく、全く危険はないのだが、どうもカラスは人間の嫌われ者のようである。

当時は幼かった孫娘も中学生になり、ボクも年老いて来たが、今でも、空中で見事にエサをキャッチするカラスの姿や、大きく口を開いてエサの食パンを、もう少しのところでカラスに奪われて食べ損ね残念そうな鯉の顔を思い浮かべては、またもう一度、あのイタズラをやってみたいと思ったりしている。

      「なぜ鳴くの 嫌われものの カラスの子」


にほんブログ村 テレビブログ ドキュメンタリー番組へ にほんブログ村 テレビブログ プロデューサー・ディレクターへ 人気ブログランキングへ

ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。






関連記事
Comment
Trackback
Trackback URL
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

馬鹿社長

Author:馬鹿社長
【小田昭太郎】
株式会社オルタスジャパン代表取締役

★ホームページ★

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR