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企画実現部の成果

ボクたちの会社には三つの部がある。
制作部と業務部と企画実現部である。

制作部は文字通り、わが社の番組のすべてを制作するセクションで、スタッフのほとんどがこの制作部に所属している。

経理や管理や総務、それに制作デスクの属するのが業務部で、ここに所属する5名のスタッフは10時から6時までの勤務時間通りに働いている。

この他に、企画実現部がある。
10年ほど前に新設した際には企画推進部と称したが、推進してばかりではなくて、とにかく実現させなければ始まらないだろうと、より積極性を高めるために企画実現部と4年前に名称を改めたのだった。

たかだか、町場の制作プロダクションが、制作部だけでなくて、生意気にも企画実現部などという正体不明のセクションを新設しようなどと考えたのにも、それなりの理由があった。

今では、ごく一般的な概念になったが、テレビ業界で著作権なるものが本格的に意識され出したのは、せいぜい10~15年ほど前からのことである。
それと時期を一にして各テレビ局の制作費の削減が厳しく実施されるようになった。

NHKの中からは、制作費を削減するために、プロダクションに著作権を持たせる代わりに、制作費の一部を出資させるなどの方法論を編み出す知恵者なども出現した。

NHKの番組制作で、一般企業からの出資なども模索された時代で、ボクなども、その気になって、各商社など出資しそうな企業の門を叩いて、大いに駆けずり回った時期である。
以前にも、このブログに書いた、ハリーポッターのアニメ化やその他のイベント企画などでもずいぶん動きに動いた。
ボクが一番働いた頃である。

また、その時期は、NHKの関連会社の幹部から、今後は、NHKの仕事は、各プロダクションとNHK本体との直接契約の形になっていくことになるので、NHKの関連会社もあなた方と横並びで競争関係になる、われわれ関連会社からの仕事が減ることになるだろう、などと酒席で、申し訳ないことになると頭を下げられたりした。

確かに、当時は郵政省だったか、総務省だったか忘れたが、お上からの指導で、NHKの関連会社への締め付けが行われたようである。
しかし、実際には、NHK本体との直接契約の道筋はあるにはあるが、それは建前で、ごく一部に過ぎず、実態としては、現在も、関連会社との契約の方が圧倒的に多く続けられている。

良くも悪くも、とにかくテレビ業界の変革の時代だった。
ボクが、企画実現部を新設しようと考えたのは、そんな時期だった。

テレビ局とのやりとりだけでは、その先行きに不安を覚える、そんな時代だった。
そこで、直接クライアントに企画を売り込み、スポンサーをつけてテレビ局に企画案を持ち込み、その企画を実現させよう、というのが企画実現部新設の意図だった。

社内でこの意味を理解する者は少なかったが、部員を2人配置した。
本気で、営業プロデューサーなるものをつくったのだった。
外部から元広告代理店経験者や営業経験者などを招き、週に1日必ず営業会議を開いた。

4年ほど、ボクもスタッフたちも、思考錯誤を繰り返しながら、企画実現部の仕事に結構な精力を費やして来た。
いくつかの案件は実現させるにはさせたが、経営的にプラスになるには中々到らなかった。

その理由は、ボクたちの未熟さと経験不足にあることも明らかだったが、大きくは、大手代理店の存在に、いつもその行く手を阻まれたのだった。

ボクたちの試みは代理店の領域を犯すものだった。
クライアントの担当者は安価で実効性のある、ボクたちのアイディアを支持してくれたが、その決定段階で、必ず大手代理店の横やりが入って、潰された。
そして、企画実現部は、ここ半年ほど、廃部にはしていないが、ほとんどその活動を休止していた。

しかし、ここにきて、番組制作とは別の感覚とノウハウを必要とする企画実現部での体験が役立つような事例が、いくつか実を結ぼうとしている。

こういった経験の積み重ねは、一朝一夕の付け焼刃では間に合わない効果を発揮する。
たしかに、無駄なことも多くあったし、時間の消費もあったかもしれないが、何事かに関して懸命に努力を重ねたことは、例え、その時は無駄なことのように見えても、必ず何かの成果を生み出すものである。

この間、少なくとも、2名の優秀な営業プロデューサーが育った。
そして、それらの人材が、新たな企画を実現させたり、その特性を生かしての仕事に成果を上げ始めている。

何事にも、そういった効果のあることをボクたちは知っているのだが、その成果がいつ、どのような形で現れるかが定かではないので、それを継続していくことが難しいのだ。

先日、ある大手出版社の社長が来社されて、冗談交じりに、企画実現部の名称の話をしたところ「継続することが大切ですね」とご自分の体験と重ね合わせての話をされた。
継続には実際、想像以上の力が必要なようだ。

      「馬鹿社長 無駄の上にも 3年と」


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