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破られたアンネの日記

東京都内や横浜市の公立図書館で、「アンネの日記」やアンネ・フランクの伝記、またホロコーストに関する本などおよそ300冊以上が破られる事件が起きた。

「アンネの日記」は今さら説明するまでもないが、ユダヤ人の少女アンネ・フランクが、アムステルダムの隠れ家で暮らした13歳の誕生日からナチスに連行されるまでの2年間を書き綴った日記である。
アンネは連行された後、ドイツのベルゲンベルゼン収容所で病死した。
16歳だった。

杉並区の11館、中野区5館、練馬区9館、新宿区・豊島区・西東京市各3館、東久留米市2館の図書館などで、先月上旬以降に事件は起きている。
そして、新たに横浜市でも見つかった。
その後、書店などでも同様の事件が起きているらしい。

これらの事件を受けて、アメリカのユダヤ人人権団体「サイモン・ウイーゼンタール・センター」が、2月20日「衝撃と深い憂慮を表明する」との声明を出すなど、海外にも波紋を広げている。
一方、管官房長官は「きわめて遺憾なこと」と、記者会見で犯行を型通りに非難した。
警視庁は捜査に乗り出したようだ。

この犯行の動機や背景などは、その捜査を待つまでは軽率には論評できないが、この事件のことを聞き、即座に頭をかすめることがある。

それは大きくは、歴史認識の問題である。
例えば、橋下大阪市市長や、NHKの会長発言で問題になった従軍慰安婦の問題しかり、朝鮮人の強制連行の問題しかり、また、南京虐殺もまたしかりである。
そして、その同じ地平上に今回のこの「アンネの日記」事件が連なる。

それらの問題は全部、戦前の日本国家やドイツ国家が犯した、数多い戦争犯罪の歴史に対する認識の問題である。

民主主義国家である現在の日本は、旧体制が犯した戦争犯罪を決して正当化してはならないし、ましてや、日本の大きな恥部である歴史的事実を弁護したり、擁護したり、あるいは隠蔽したりすることは許されることではない。

それにもかかわらず、南京大虐殺を含め、そういった事件は無かったであるとか、また正当化しようとの論を堂々とまかり通そうとしている勢力が、間違いなく、現在の日本で次第に力を増しつつある。

そして、それらの力を背景として、安倍政権は、集団的自衛権をはじめ、憲法改正まで、危険極まりの無い政策を一気に推し進めようとしている。
今度の、「アンネの日記」の事件は、そんな日本の現状を象徴していると思えてならないのである。

果たして、事件の真相はどうなのだろうか。
ネオナチ信奉者やカルトの仕業でなければ幸いである。

それが、杞憂であることを願うが、しかし、仮に杞憂だったとしても、現在日本が抱えている危惧すべき状況が軽減されるわけではない。

かつて、日本が朝鮮半島や中国を侵略し、多くの人々を殺戮し、他国の人々の暮らしを破壊したことは歴史的事実である。
戦前の日本が犯したこの戦争犯罪に、どんな正当な理由をつけても、云い訳をしても、それは、悪あがきに過ぎない。

そういった言動に出会うと、泥棒にも三分の理、との言葉と同時に、盗人猛々しい、との言葉も思い起こす。
いずれにしても恥を知らぬ者の感覚である。

ボクたちにできることは、自らが犯した戦争犯罪の事実を認め、反省し、相手国の人々に償い、今後の自分たちの国家としての生きるべき道筋をしっかりと見極めることしかない。
それができないで、美しい国、など存在できようはずもない。
戦後70年にもなろうとしてまだ、そのことが出来ていないことは本当に恥ずかしいことである。

その意味で、歴史認識の問題は益々重要である。
それは、国家の在り様と存続を左右する大きなテーマだからである。

もっと露骨に云えば、政権の中枢が、従軍慰安婦、南京虐殺、靖国参拝などに関して、現在のような認識を持っている限り、ボクたち国民には、中国や韓国を好きだとか嫌いだとか言える資格がまだ無い、ということなのである。
その根本を改めない限り、韓国や中国と対等には向き合うことができないのである。

ボクたちは、もう一度、ボクたちの国が、どういう歴史を辿ってきたのか、をしっかりと知るべきである。
そして、これからどこへ向かえば良いのかを見つめ直さなければならないのではないだろうか。

      「かつて来た 同じ道など 辿れない」


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