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コウノトリ保存についての意外な話

兵庫県庁の役人で、森林課に勤めている河井周というボクのいとこがいる。

大学の農学部を卒業して以来、森林畑一筋に生きて来た。
当然ながら木材の専門家であるが、キノコについても詳しく、とりわけマツタケについての知識や薀蓄は並みではない。

1年に一度か二度、研修やセミナーのために上京するが、その際には必ず連絡があり、一緒に食事をすることが習慣になっている。
普段はなかなか聞くことのできない、日本の森林関係の実態や内幕などが聞けるのが毎年の楽しみになっている。

彼は兵庫県の丹波笹山という田舎にわざわざ選んで住んでいる。
役人でありながら、出世などにはおよそ興味はなく、独自の人生観に基づいて生きている。
人当たりも良く、決して偏屈な男ではないが、世に云う変わり者に属しているかもしれない。
彼とは、なぜか気脈の通じ合うものがあり、話していると時の経つのを忘れてしまう。

ちなみに、マツタケは、ユーラシア大陸の、フィンランドやノルウェーからモンゴル、中国、北朝鮮に連なる地理的な流れで獲れるので、それらの国々のマツタケは日本のマツタケとまったく同じだという。
ただ中国産については別種類もあるので要注意だとか。

カナダ、アメリカ、メキシコなど新大陸では、松をはじめ、植物の植生がユーラシア大陸とは異なるので、姿形は同じでもマツタケとは似て非なるものらしい。
モロッコなどアフリカ大陸の物も別種らしい。

マツタケは時間が経つにつれて香りが飛んでしまうので、本来は美味しい中国産のマツタケも、日本のお店に並ぶ頃には香りが無くなっているのだそうだ。

彼が住んでいるのは丹波だが、わざわざ山を越えた、但馬地方の豊原市のコウノトリ保存会に積極的に参加しているという。

保存会の人たちは、人とコウノトリが共生できる環境を作ることが、つまりは、地元の安全な農作物の生産につながるのだと考えている。
単純にコウノトリを保存するだけではなく、それを安全な農作物の生産にまで発展させる発想は素晴らしいと思う。

新潟県佐渡のトキと同様、一度はコウノシリも絶滅したらしい。
その絶滅の理由は意外なものだった。

ボクは農薬の使用により、水田などの水が汚染され、昆虫をはじめ、ドジョウや小魚などが死滅したために、コウノトリのエサが無くなり、結局コウノトリが生きて行けなくなったのだと思っていたのだが、実際はそうではないらしい。

勿論、農薬の影響もあるにはあったらしいが、実は水田に水を引く灌漑の仕組みにその主なる原因があったのだという。

水田には、水を引き込むための灌漑用水路と、水田から水を抜くための排水路があるらしい。
昔は、これらの水は同じ平面上で循環させていたが、近代農法に変わってからは、灌漑用水路と排水路はその高さを変えたために、水は循環しなくなり、一度、排水路から水と共に流された水田の生き物たちは、二度と水田に戻れなくなり、やがて、水田一帯の水場から生き物たちは姿を消すことになった。

それが、コウノトリたちのエサ不足を招き、絶滅の主たる原因であることが分かり、現在、豊原市の水田では、別の水路を準備し、排水路からの水の循環を図っているらしい。

意外な原因にボクも驚いたのだが、人間にとっての便利良さや効率だけを採用すると、他の動物たちの絶滅を招くのは通例とは云え、ちょっとした工夫で、人間と動物とが共生でき、それが人間の命を守ることにつながるのならば、素敵なことである。

ちょっと変わり者のいとこ、森林の専門家・河井周にエールを送りたいと思う。

      「面倒な ひと手間かけて 命生み」


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