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久し振りに出した大声

滅多な事では声を荒げることは無いのだが、先日、何年振りか、いや、十数年振りかもしれない大声を上げた。

ボクたちは毎月、それなりの数の番組を制作しているが、その内容や分数や制作費などは多種多様である。
それらどの番組も大切だが、その中でも、わが社の柱となる看板番組と位置付けているいくつかの番組がある。

それは、必ずしも、制作費が多いとか少ないとかの金銭面ばかりではなくて、番組立ち上げ時からの番組への思い入れであったり、価値観の合致する番組であったりとこれもまた色々である。

ボクが声を荒げたのは、そんな、大切だと位置づけている番組の放送があった翌日のことだった。

その番組の放送を自宅のテレビで視たのだが、正直言って視ていることが苦痛だった。

まず、視聴者に何を伝えようとしているのかの意図が明確でなかった。
そして、その意図を伝えるための演出が無かった。
さらに、視聴者に理解してもらおう、喜んでもらおう、驚いてもらおう、楽しんでもらおう、との気持ちがまるで感じられなかった。

そして何よりも、まずいのは、スタッフたち自身が、この番組を面白がり、楽しんで制作していないことだった。

視終わって、これで視聴率が悪ければ、無事では収まらないだろう、とボクは覚悟を決めた。
放送の翌日、恐る恐る出社したが、幸いなことに視聴率だけは合格点だった。

その日、その番組に関わったスタッフを含めた10人余が集まっての反省会が開かれた。
その場で、ボクは久し振りに大声を出したのだった。

その第一は、この仕事をやりたくない者は辞めてくれ、ということだった。
ボクは、その番組を制作できることに誇りを持ち、ありがたいことだと心の底から思っている。
そのスタッフとして制作に携われることを幸せだと思えない者は辞めた方が良いと本当に考えている。
自分の仕事を楽しいと感じられない者は、この仕事を辞めるべきである。

第二は、表現者としてもっと勉強しろ、ということである。
ドキュメンタリーだけではなく、バラエティーを含めたあらゆるジャンルのテレビ番組を見て、演出についての勉強を一からやり直せ、ということだった。

視聴者をどれだけ感心せることができるかがボクたちの仕事である。
その感心の中味は感動であったり、驚きであったり、喜びであったり、また情報の新鮮さや深さであったり、考え方の斬新さであったりと、それこそ多様である。
とにかく、感心してもらおうとの作り手の熱意と工夫がなければ、話は始まらない。

声を荒げたボクの思いがどこまでスタッフの心に届いたかは分からない。

スタッフが決して遊んでいる訳でも、怠けている訳でもない。
懸命に取り組んでいることはボクも知っている。
しかし、まだまだ熱い思いに欠けている。
本気度が足りない。

番組とはありきたりの日常生活の延長の中では決して生まれることのない過酷な生産物なのである。

      「恐ろしや 血反吐の量が まだ足りず」




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