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大石芳野さんからの寒中見舞い

報道写真家に大石芳野さんという方がいらっしゃる。
特別に親しいという訳ではないが、お会いすれば挨拶を交わす位の付き合いである。

確か、1979年だったと思うが、タイ・カンボジア国境のアランヤプラテートという田舎町で取材中に初めてお会いした覚えがある。
ベトナム軍のカンボジア侵攻により、多くのカンボジア難民がタイに流れ込んで来た時期だったと記憶している。

ボクはテレビ取材なので何人かのスタッフとチームを組んで動いていたが、殺伐とした国境の街で、大石さんはカメラ片手に独りで取材をされていた。
毅然とした美しさを漂わせた、勇気ある女性だなと思っていた。

彼女は各国の戦争や内乱などで混乱する国々の現場に積極的に身を置き、そこに生きる人々の取材活動を精力的に続けて来られた。
何冊もの写真集や著作も出され、カメラマンの栄誉である土門拳賞を受賞されている。

NHKの「課外授業 ようこそ先輩」というわが社で担当した番組に出演いただいたことがある。
この番組は、自分が卒業した小学校を訪ね、6年生に授業をするというものだが、写真を撮るという行為には、撮る者と撮られる側とのコミュニケーションが大切であることを説かれていた。
それは、ボクたち取材者にとっての大切な基本であり、ややもすると忘れがちな約束事である。

大石さんとは、滅多にお会いすることはないが、季節の挨拶だけは続けさせていただいている。
今年の寒中見舞いの文面には、「井の頭公園の池にはたっぷり太った鯉が悠然と泳いでいます。一見のどかな新春ですが、私の気分は晴れ渡りません。日本社会の歪みが深刻だからです。」とあった。

続く文章には、原発事故、沖縄の米軍基地、特定秘密保護法、総理の靖国参拝、と政府の全体主義的な強硬なやり方を憂え、民主主義の危機を訴えておられる。

全く同感である。
今の時代のありように危惧を抱くジャーナリストの存在は心強い限りである。

しかし、本来ならば、のどかな新春の風景に心安らぐ筈が、晴れ渡らないのは本当に不幸なことだ。
晴れ晴れとした時候の挨拶が出来る世の中にしなければならない。

      「用意ドン もうひと走り ラストラン」 


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