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大島渚さんのドキュメンタリー「忘れられた皇軍」

この日曜日、日本テレビのBSチャンネルで、「NNNドキュメント14」の再放送「反骨のドキュメンタリスト大島渚『忘れられた皇軍』の衝撃」を視た。
この中で、大島さんがかつて作られた「忘れられた皇軍」がそのままの形で放送された。

「忘れられた皇軍」は今から50年前に作られた30分弱のドキュメンタリーである。
戦前日本兵として徴兵され、太平洋戦争に従軍し、負傷した在日韓国朝鮮人たちが、戦争からすでに18年後、日本政府から何の補償も受けることが出来ず、悶々と苦しむ姿を描いた作品である。

彼等は、傷痍軍人と呼ばれ、白い衣服に身をまとい、町の一角で、簡単な楽器を演奏し、あるいは歌って、道行く人々からお金をもらうという、物乞い同然の暮らしを余儀なくされていた。
かつて、天皇の戦士、つまり皇軍として戦いながら、韓国人だという理由で、日本政府から相手にされず、補償はおろか、軍人恩給も受け取ることが出来ない。
また韓国政府からも、それは日本政府の責任だと切り捨てられて苦しんでいた。

大島渚さんがまだ、30歳頃の作品である。
彼等の怒りを彼等に代わってストレートに作品にぶつけている。
その怒りは、日本政府と同時に、自分を含めた日本人に向けられたものだった。

「忘れられた皇軍」をボクは、44~5年振りに視た。
この作品は、日本のテレビドュメンタリーの生みの親と云っても良い、日本テレビの牛山純一さんのもとに配属された時、牛山さんから視るようにと命じられたドキュメンタリーの中の一本だった。

「忘れられた皇軍」が作られた頃はまだ、同時録音など出来ず、フィルモという名のカメラも手巻きのゼンマイ式で長いカットは撮影出来なかった時代である。
その意味では番組は現在の感覚では荒削りではあるが、その分、かえって迫力に満ちている。

現在の日本では、表向きは、いかにも言論の自由がありそうに見える。
しかし、実際には、今のテレビにも新聞にも言論の自由は無い。
完全に封殺されている。
そして、自分たちが封殺されていることに、ジャーナリズムに携わる人間たちが気付いていないというお粗末さである。

大島さんの「忘れられた皇軍」は、眼隠しされ、猿ぐつわをはめらながら、現在のテレビや新聞でメシにありついているボクたちへの鋭いメーセージとして受け止めた。
その意味では、この番組を企画した日本テレビのスタッフ諸氏に拍手を送りたい。

しかし、社会の矛盾をえぐり、疑問を解き明かしていくような告発ドキュメンタリーが客観報道という規制のもとで姿を消して久しい。
過去の作品の力を借りるのもひとつの方法だが、テレビ局員であれば自らの力で、現在の問題を告発する番組を発表するべきだし、また、告発ドキュメンタリーの番組枠を作る努力をするべきである。

すでに危険な状況にある今だからこそ、言論の自由を勝ち取るエネルギーが本当に必要である。

      「大口を 叩いて今日も 酒を飲み」


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