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怪しき経営の秘訣

ある飲み会でのことである。

突然、「経営の秘訣は何ですか」と尋ねられた。

ボクは思わず改めて周囲を見回した。
その質問をした人はボクの方を見ておられたが、まさかボクに聞かれたのではなく、他の誰かが居るのかと思ったからである。
しかし、その驚くような問いは、どうやらボクに向けて発せられたものだった。

その人は何人かのスタッフを抱える小さなプロダクションの社長だった。
40歳年配に見受けられたが、その時に初めてお会いする方だった。

お恥ずかしい話しだが、ボクは経営についてアレコレ正面切って考えたことなど無い。
全く考えないと云えばウソになるかもしれないが、経営という言葉自体、あまりにも馴染みがない。
ましてや、経営の秘訣など分かろう筈も無い。
それが証拠に、いつもピイーピイーと苦しい毎日を送っている。
そして何よりも、こういう質問そのものが気恥かしい。

余りにも唐突な問いだったが、「何もしないことですかね」と咄嗟にボクは答えた。
「えっ!何もしないことですか?」と彼は不審そうに聞き返す。

それは半分冗談のようだが、実は本心である。

テレビ局の関連企業は別にして、ボクたちのような町場の番組制作プロダクションは大きいと云っても、社員やスタッフが200~250人くらいがせいぜいで、たいていは、2~30人規模の会社が多いと思う。
小さなものになると社長ひとりという会社も珍しくはない。
いずれにしても零細企業である。

こういう組織では、たいていの場合、社長の存在価値が大きく、社長の器量や才覚でその組織が生きているケースが多い。
つまり、やり手社長がバリバリと働き、その働きで社員を養うという形である。
町場のプロダクションはほとんどがそうだと思う。

しかし、ボクの場合はその逆である。
ありがたいことに、ボクはスタッフの働きで生かしてもらっている。

ボクはただ路線を決めて調整するだけ。
あとは何もしない。
社員を食べさせる甲斐性は無い。
みんなのおかげでボクは会社に居ることができる。

だから、ボクは誰よりもスタッフのことを考え、スタッフを大切にする。
これだけは人には絶対に負けないという自負はある。

あとボクがやるべきことがあるとすれば、何か重大事があった時には、責任をとること位だ。
しかし、この25年間でそんな必要は一度も無かった。

「なるほど、何もしないことですか………。それは気が付かなかったなあ」と若い社長は独りごとを云いながら首をひねっている。

「何もしない」はややオーバーだが、実態に近い。

   「経営の 秘訣があらば 教えてよ」


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