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制作現場のスタッフの絆

昨年の暮れに、あるテレビ番組の制作を終えてのスタッフ飲み会があった。
最近の経費削減の状況下では、番組の打ち上げの飲み会は珍しいことだし、またボクが出席することも滅多にないことである。

この番組はCS銀河チャンネルの「松平定知の藤沢周平をよむ」というタイトルの朗読時代劇で一話30分を3作品制作したものである。
第一話 孤立剣残月、第二話 暗殺剣虎ノ眼、第三話 隠し剣鬼の爪からなる3作品で、藤沢周平の短編を元NHKアナウンサーの松平定知さんが朗読し、映像化したものである。

これがなかなかの作品に仕上がった。
松平さんの卓越した名調子は秀逸だし、構成も演出もしっかりしている。
無名の出演者たちも懸命に演じていて、手練れたプロの仕事となった。

演出は、これまで劇場用映画を何本か監督したことのあるディレクターの小川典。
時代劇はこれが初めての演出だという。
入社して丸5年経つがようやくドキュメンタリーが分かってきた楽しみな若手のひとりである。

プロデューサーは数年前にわが社を辞めたが、また戻って来てくれた出戻り娘の小野裕子。
少ない予算をやり繰りして緻密な仕事をした。

元NHKプロデューサーでわが盟友の佐久間宏さんが構成と監修を引き受けてくれ、正確な時代考証をはじめとする手慣れた仕事ぶりを見せてくれた。

オープニングのCGは、ここのところとみに腕を上げて来た西崎啓介が見事なワザを見せた。
西崎はわが社のCGを一手に引き受けているホープ社員だ。

打ち上げの飲み会には、これらのメンバーの他に、カメラマン、音楽、キャスティング、役者さんたち、殺陣師など沢山の方々が集まった。
その多くが昔、小川典ディレクターと苦労を共にしたという仲間たちで、ある意味、金銭を度外視して参集してくれたのだと知った。

彼等はこの仕事に掛けた熱い思いを口々に語った。
この優れた番組がどのようにして誕生したのかという現場の苦労のひとつひとつが十分にうかがえた。
そして、皆がその苦労を喜んでくれてさえいた。

有難いことである。
そして、番組作りのスタッフの絆がいかに大切であるのかも分かった。

と、ここまでは、美しいお話ではある。

しかし、ボクたちは間違いなく、彼等外部スタッフに金銭的にも労働条件の面でも大きな負担と犠牲を強いている。
本当に申し訳のないことである。

そう云っているボクたちプロダクションサイドも、当然のことながら、赤字の仕事となっているだが、こういった、現場の善意ある犠牲で番組制作が成り立ち、放送されていることは必ずしも健全とは言えない。

そして、これは必ずしも、制作予算の少ないCS放送に限ったことではなく、地上波,BS波の制作現場でも同様なのである。

しかも、こういった状況が常態化していることが問題なのである。

      「作り手の 思いに頼る 情けなさ」


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