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ドキュメンタリー映画「SAYAMA」を観て思うこと その①

先週の金曜日、狭山事件の被告であった石川一雄さん夫婦を描いたドキュメンタリー映画「SAYAMA」を観た。

狭山事件は昭和38年、埼玉県狭山市で発生した強盗強姦殺人事件で、被害者は高校一年生の少女だった。
被差別部落出身の石川一雄さん(当時24歳)が逮捕され、自白により一審で死刑判決を受けるが、一転無実を主張、その後、無期懲役が確定し服役、平成6年に仮釈放されている。

この狭山事件が起きてから今年で50年となる。

これまで、狭山事件は冤罪事件ではないか、ということで、映画や演劇、それにルポなどでも何度も取り上げられてきた。

特に石川さんが被差別部落出身であったことから、差別的側面からも注目された。
しかし、一方、犯人逮捕と差別的見方は関係ないとの意見も大きくあり、この点でも論争が起きた。
ボクの敬愛するルポライターの鎌田慧さんも岩波現代文庫から「狭山事件の真実」を出版されている。

映画「SAYAMA」は、必ずしも狭山事件そのものの真実に迫ろうと意図したドキュメンタリーではない。

この映画は強盗強姦殺人罪で無期懲役刑を受け、仮釈放されている男とその妻が、無実を叫び続ける、最近3年間の様子を淡々と記録したものである。

決して声高に、石川一雄なる人物を無実だと主張している訳でもなく、また、科学的あるいは論理的な証拠や根拠に元づいて無実を訴えているのでもない。
そうかといって、情緒で迫ろうとしている訳でもない。

その意味では、観客に対して、「この人は無実と思いませんか?」と一方的に押し付けるいやらしさや卑しさが全くなくて潔い。
それがかえって、観客の気持ちを惹きつける力を生み出している。

石川一雄というこの男は、もしかすると無実かもしれないな、と思わせる演出法になっている。

実に力のある素晴らしい作品に仕上がっていると思う。
ボクも過去に丸正事件や甲山事件などの冤罪事件といわれる事件のドキュメンタリーを作った経験があるだけに冤罪を扱う制作者の苦労は分かる。

演出は金聖雄、カメラは池田俊己。三年間という長期間の取材をよく根気よくがんばったと思う。
ことに、自主映画を立ち上げ、完成させたプロデューサー陣内直行さんの苦労は並大抵ではなかっただろうと思う。

   「自主映画 資金集めに 吐息つき」


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