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ご馳走してくれるたったひとりの人

仕事柄、人と会食する機会は多い。
当然ながらテレビ関係者が多いが、異業種の人たちにも会う。
またブレーンなどとも食事をする。

それでも、ボクが現役バリバリで飛び回っていた頃に比べると、ずいぶんその回数は減った。

その時にお金を支払うのは大抵ボクだが、それは当然のことで、そのことを不思議に思ったことなど一度もない。ごく自然なことであり、お金を払えることは、ありがたいことだとも思っている。

そんな日常の中で、たったひとり、ボクにご馳走してくれる人物がいる。

西村眞さんという74歳になられる作家である。

彼はかつて「SAY」や「BIG tomorrow」「百楽」などを始め、数多くの雑誌の編集長をされ、次々に空前のヒットを飛ばした名編集長と謳われた方で、その世界では彼のことを知らぬ人はいない有名人である。

4年ほど前に「東京哀歌」という5編からなる短編小説集を三五館から出版された。
その切れ味の鋭い筆力には圧倒されるが、中でも「屑繭の唄」は秀逸である。

小説家としては遅過ぎたデビューだが、住居とは別に銀座の一角に書斎を構え、懸命に著作活動を続けておられる。

その彼は年に数回ボクたち夫婦を食事に誘ってくれる。

鮨なら久兵衛、ふぐはなだ万と、普段ボクなど行けない一流店や珍しいお店に招待してくれる。
つい先日もご馳走になった神楽坂の小料理店の天然のアユは本当に美味だった。

「ボクにご馳走してくれるのは西村さんだけですわ」と云うと「そうですか」と納得したように頷かれたが「ボクは一生使いきれないだけのお金を稼ぎましたが、だから作家としては今ひとつなんでしょうね」と謙遜とも本音ともつかぬ口調で云い酒を口にした。

悠々自適で、のんびり過ごせば楽だろうとも思えるのだが、それでも自らを律し、自らに厳しい課題を与えて生きている男の姿は、やはり素晴らしく映る。

      「旨いもの 食えるその日が 幸せだ」


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