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鮨職人の定年

月に2~3度行く鮨屋がある。
チェーン店だが、安い割には結構旨い。

通い始めてまだ2年ほどだが、数人いる板前ともすっかり顔なじみになった。

通ううちに自然とボク担当の板前さんが決まって来る。
秋田県出身の少し頑固そうな職人さんだが、慣れるに従って、色んなことをしゃべるようになった。

彼は草野球のチームを持っていて、月に一度か二度、他のチームと試合をするそうだ。
ピッチャーと監督を兼ねているという。
「なんと言っても野球はピッチャーですからね」と誇らしげに語る。
年間に15試合ほどやるらしい。

ボクが通い始めた初めの頃は「ここ数年、実はまだ一勝もできていない」と残念がっていたが、そのうち、「凄腕のピッチャーとバッターをスカウトしたお陰で、やっと勝てました」と子供のように喜んだ。

ボクがカウンターに座ると待ちかねていたように、「この前の試合は………」と語り出す。
そして「是非一度、試合を見に来て欲しい」と云い出すようになった。

ボクは野球にそれほど興味は無かったが、毎回、毎回、あまりにも熱心なので、そろそろ行かなければ悪いなあ、と思い始めるようになっていた。

最近、3カ月ほどそのお店から足が遠のき、先日久しぶりに行くと、その職人さんがいなくなっていた。

聞くと、60歳の定年で辞めたという。
「うちも会社組織なものですから」と別の職人さんは言った。

ボクは悪いことをした気になった。

その職人さんの連絡先を聞こうかとも思ったが、早朝の草野球の試合に出かけるのも面倒でやめることにした。


   「また今度 一期一会の 例えあり」

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