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引っ越しと桃の木

以前ボクが住んでいた向かいの家に一本の桃の木があった。
ボクはそこに30数年住んでいたのだが、その間、その桃の木が果実をつけるのを一度も見たことはなかった。

ある年の冬、桃の木のある一家が引っ越しするらしいとの話を耳にした。

ところが翌年の春、その桃の木が満開の花を咲かせ、枝という枝にたわわに桃を実らせたのだった。

そして噂通り、その家の人たちは引っ越して行った。

それから間もなく、そこは更地になり、当然のように、無残にもその古い桃の木も切られてしまった。
更地にはすぐに新築の家が建てられ人々が移り住んできた。

当時、近所の人たちと「もしかすると桃の木にも耳があるのかね」と話し合ったものである。

もしかすると、切られてしまうことを察知した桃の木が種族保存のために実をつけたのではないかと、疑ったのである。

偶然にしては余りにも不思議だった。
大地に根を張り、そこから逃げ出すことのかなわぬ桃の木の必死の知恵だったのだろうか。

生命の神秘とあわれを感じざるを得ない。


   「人も樹も 同じいのちの 地平かな」



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