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忘れられない風景 ~ばばこういちの憤死⑤~

はばこういちさんは糖尿病を患っておられ、いつもインシュリンを持ち歩いていた。
それでも徹夜麻雀を止めようとしなかった。
麻雀の途中に「ちょっと」と云ってお腹にインシュリン注射をしていたものだ。

キャスターでジャーナリストの鳥越俊太郎さんも時々麻雀に参加されていたが、ボクたちの常識外れの無頼ぶりに接して「梁山泊のようだな」と評していたことを思い出す。
梁山泊は中国水滸伝に出てくる盗賊や反政府のならず者たちの巣窟の意である。

ばばさんが倒れられたと聞いたのは、2010年の3月のことだった。
それまで、肺炎を引き起こして入院されたりもしていたが、持ち直されていたのだが、今回はかなり重症だった。

見舞いに行ったばばさんを見て、これはいかん、と感じた。
個室のベッドからトイレまで自力では動けない状態だった。

そんな衰弱した身体でありながら眼光だけは鋭く、ばばさんは怒っていた。何に怒っているのか、ただ怒っていた。

やり残したことが沢山ある。
こんなこともやりたい、あんなこともやりたい、とばばさんはあらん限りの力を振り絞って力説し続けた。
一緒に仕事しようとその計画を話し続けた。

死んでも死にきれないとのやりきれない思いが伝わってくる。

ばばさんは死に対して怒っていたのだった。
ボクは対応する言葉もなく、ただ、憤慨するばばさんの話を聞いているしかなかった。

それから数日後、ばばさんは息を引き取られた。
死因は腎不全。77歳だった。


        「ひきとめる 術みつからず 友は逝き」


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