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不夜城からの転身

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新入社員への期待

今年も4月1日から男子2名、女子3名の総勢5名の新入社員たちがボクたちの会社の新しい仲間として加わった。
例年通りに入社式を行い、10日間ほどの研修期間を設けた。
入社式は単なる儀式に過ぎないとの見方もあるが、ボクは意味のある大切な儀式だと考えて毎年これに臨んでいる。

最近では新入社員については、入社後半日で辞めた者がいるとか、研修に耐えられず辞めた、などのニュースを初めとして、働く若者たちの理解し難い行動の数々が何かと世間の話題になっているが、それはそれとして、入社式は、わが社の扉を叩いてくれた若者たちに真剣に向き合うための貴重な儀式だ。

まず、数ある会社の中からボクたちの会社を選択してくれたことへの謝意を伝え、そして同時に、彼らを受け入れる側のボクたちの、彼ら若者たちへの責任を改めて自覚する場でもある。

各人それぞれの個性や適性、能力を見極めて、それをどう伸ばしていくのか、そして一人前の制作者にどのように育てていくのか導いて行くのがボクたちの役目だ。
それが、制作者を目指す本人はもとより、会社のためになる。
お互いにとって良い関係が保てなければ、物事は続かず、その関係は必ず破綻する。
その努力をして駄目ならば、つまりは、それまでの縁である。

ボクたちの社名であるオルタスとは、ラテン語で、「始まり」という意味である。
そしてもうひとつ併せて「東方の」という意味も持つ。
30年前に社名を決めるに当たって、ラテン語の辞書を買い求め、頭から最後まで調べてオルタスの語を発見し選んだ。

特に「東方の」というのがボクは気に入った。
世界から見れば、ユーラシア大陸の東端、まさに極東にへばりつくようにして存在する日本列島、この小さな島国から世界に情報を発信する情報基地を作ろう、それをオルタスの使命としよう。
オルタスジャパン。
身の程知らずにも、そんな大それた志でつけた社名である。
そして、その大志は今も変わることなくボクにはある。

とにかく、世界中の人たちをビックリさせ、驚かせるような番組を作りたい。
驚きを、感動、怒り、悲しみ、幸せに置き換えても良い。
人の心をその芯から揺さぶることのできる番組を発信したいと願っている。
それがボクの番組作りに対する基本姿勢である。

会社を立ち上げて以来初めて、新入社員の研修枠に時間を貰い、ひと言だけしゃべらせてもらった。
特に若者たちに伝えておきたいことがあったからである。
それはひと言で表現すれば「チマチマするな」という事である。

ネットの出現でテレビ産業は大きく揺さぶられ、映像産業は多様化し、多角化した。
これまで築いてきたテレビ王国はその全盛期を過ぎ、低迷と模索の時代となっている。
東京のキー局も生き残りを賭けての死闘の時代を生きていると言っても過言ではない。
そんな中にあって、そこで放送されるソフトの制作現場も過当競争の時代となっている。

制作費単価が抑え込まれ、良質の番組を作ることがとても困難な状況にある。
番組制作で利益を上げることが難しい時代ともなっている。
良質の番組を目指す一方で、経費の削減が叫ばれる。
質は量を規定し、量もまた質を規定する。
これは不変の法則だが、現在の制作現場ではそのバランスを保つことが難しくなり喘いでいる。

しかし、そんなことは今に始まったことでもなく、ボクたちはこれまで何度かの洗礼を受けているから、そういう困難な状況を乗り切る自信はある。
ただ心配なのは、企画の発想がチマチマと痩せ細って行くのではないかとの恐れである。
企画の衰退はテレビ界全体の衰退に直結する。

番組企画の発想段階で、制作費を前提で考えるから、出て来る企画は制作費に見合った規模の企画となる。
安い制作費の番組が多いと、企画も自然とチマチマしてくる。
それが続くと、次第にのびのびした大きな発想が出来なくなってくる。
発想がしぼんでいくことが恐ろしい。
どうせ実現は出来ないだろう、と発想を止めてしまうことが恐い。

「こんな企画は金が掛かり過ぎるからダメだ」とプロデューサーから突き返されるようなデッカイ企画を考えて欲しい、とボクは新入社員たちに頼んだ。
そして、突き返されたらボクの所に持って来てほしい、と。

そしてもうひとつ、新入社員たちに頼んだことがある。

ドキュメンタリーがこれまでテレビの主役だったことはない。
現在はバラエティーがテレビの主役だが、時代によって歌番組だったり、時代劇、あるいはトレンディードラマだったり、プロレスや野球、サッカーなどのスポーツだったり、ワイドショーであったりと時代によって主役は入れ替わって来た。
しかし、ドキュメンタリーは主役になったことはない。

だからと言って、それを実現したいとは思わない。
ただ、ドキュメンタリーならばオルタスジャパンだ、という存在になって欲しいと心から願う。
それがボクの夢である。
その夢を君たちの手で実現して欲しい、と頼んだ。

新入社員たちは、そろそろ、研修を終え、それぞれの制作現場に就き、実践に当たる。
これから色んな困難や辛いことなどを体験することになるだろうし、必ず大小様々な壁にぶち当たることになるだろう。
そこで嫌になったり、仕事を止めたくなることもあるだろう。
また、「そこよりも、もっと給料の良い仕事があるよ」などの悪魔の囁きが聞こえて来ることもあるに違いない。

そんな時に、入社式に臨んだ時の、不安と期待の入り混じった、そして、やる気に満ちていたフレッシュな自分を思い出して欲しいと願う。
一度、初心に立ち返って欲しいと思う。

ボクは自分が困難に直面した時に唱える呪文がある。
それは「オルタス」というラテン語だ。
全ての「始まり」がそこにある。

       「ネタよりも 企画求むの テレビかな」


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プロフィール

馬鹿社長

Author:馬鹿社長
【小田昭太郎】
株式会社オルタスジャパン代表取締役

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