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報奨金の是非

ワールドカップで日本のラグビーチームが優勝候補の南アフリカに勝利するなど、予想外の大活躍を果たして以来、マスコミをはじめ日本全国の人々からの賞賛を浴び、今日本中の注目の的となっている。

予選で3勝を納めたにもかかわらず、勝ち点の差で惜しくも決勝トーナメントに進出できなかったことが、さらにその人気に拍車をかけている格好だ。

一年ほど前、ラクビー関係の知り合いからラグビー界に五郎丸という優秀な選手がいるのだが、彼の活躍をテレビで取り上げることができないか、との相談を受け、番組化に向けてテレビ局に働きかけたとがある。
去年のその時点では、まだラグビーはマイナースポーツとの一般認識だったので、実現できなかったのだが、今ではすっかり事情は一変した。

2019年にラクビーのワールドカップが日本で開催されることもあり、日本選抜チームへの期待は高まる一方である。
それはそれでめでたいことである。

そんな中で、これだけ活躍した選手たちに報奨金がゼロというのはおかしいのではないかとの声が出始めているという。
そんな声を受けて大正製薬が5000万円を提供することを決めた。
各選手に100万円が渡る勘定になるらしい。

一昔前に、北朝鮮では、オリンピックで金メダルを獲った選手には家を買い与えるなどの特別報奨が行われているとの報道がなされ、ボクたちは国家によるその行為にどこか違和感を抱いた経験がある。

その頃はスポーツの世界では、プロとアマチュアとの境界線は厳しく峻別されていた。
しかし、そのうち、オリンピックでもワールドカップなどのスポーツ大会でもプロとアマとが入り乱れて参加するようになった。

そんな背景のせいかどうか分からないが、オリンピック選手への金銭の授与も当たり前のようになった。
考えてみれば、一時は不思議なことをする国と嗤った北朝鮮のやり方に追随しているかのようである。

しかし、ボクはこういう類の報奨金の考え方には疑問を持つ。
お金が支給されるとすれば、個人ではなく、そのスポーツ団体や協会に支給し、そのお金はスポーツ振興のために使われるべきだと思っている。

優勝賞金額が決まっている賞金稼ぎのプロスポーツならいざ知らず、少なくとも、国家を挙げてのオリンピックやワールドカップからは拝金主義は排除すべきだと思っている。
オリンピック委員会の収賄事件なども象徴的で、すべてをビジネスとして扱う視点に問題の根がある。

少々時代遅れの精神論と受け止められるかもしれないが、すべてをお金の価値に置き換える考えにはどうしても抵抗がある。

ボクなども、会社を転がしていく上で、いつもピイピイとお金で苦労しているが、訳の分からないお金を手にしたいとは思わない。
テレビ局と正当な形で契約し、しっかりとした仕事をして制作した番組を納め、その対価をきっちりと頂く。
当然のことながら、それが望みであり、考えることのすべてである。
それをスタッフ全員で一生懸命にやる。

ボクたちの会社では、仕事の成果についての査定はしない。
優れた番組を制作した者も出来なかった者も同等に評価する。
いずれの者も一生懸命ならば同等である。

だから、夏と冬の僅かながらのボーナスの額も全員一律にしている。
これには、社内に異論はあるが、それぞれが自分の能力の限りを尽くし、全力を出している限りは一律であるべきだとボクは考えている。

それぞれの能力には差があるのは当然だから、その結果が異なるのも当然である。
しかし、大事なことは一生懸命にやりきることである。
能力ではない。
一等賞であるかどうかは関係のないことだとボクは考えている。

ささやかながら、月に一度、社長賞と企画賞を出している。
これも決して能力に対してではない。
強いて言えば、努力に対してのものである。

日本のスポーツ選手たちに、貰った報奨金を返却すべきなどと注文をつける気持ちなどさらさらないが、自分の所属するスポーツ団体に寄付する位の心構えがあっても良いのではないか、とは思う。

   「懐に 一度入れば 顔出さず」


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【小田昭太郎】
株式会社オルタスジャパン代表取締役

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