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腹の立つこと

日常生活で、ボクが怒ることは皆無である。
仕事の上でも、私生活でも怒ることは無い。
心配事は数々あるけれど、怒らないでもよい生活が出来ていることは、まあ幸せなことである。

しかし、である。
ここに来ての、特定秘密保護法案をはじめとする自民党のやり方には怒りを禁じえないのだ。

30年近く前に廃案にはなったが、スパイ防止法案を巡っては、ボク自身もさまざまな体験をした。
日本テレビ時代に、スパイ防止法案についての番組を作り、それが時の自民党政府の怒りを買い、ボクがテレビ局を辞める遠因となった因縁ある法案であった。

それが今回甦り、衆議院を通過した。
これはアメリカを念頭に置いて強行採決されたものであることは明らかである。

そして、国家安全保障会議、いわゆる日本版NSCを創設するための関連法案が27日に参議院で可決し成立した。
日本版NSCは、アメリカのNSCを模した名称である。

日本版NSCは、日本の外交・安全保障政策の新たな司令塔となるもので、政府は年明けにも内閣官房に60人規模の国家安全保障局を発足させるが、将来的には100人超の体制を目指しているという。

特定秘密保護法案は、この日本版NSCが外国の情報機関と情報の交換をしやすくするのが狙いだというが、新聞・テレビなどの報道機関が情報を得ることを著しく規制するものであり、明らかに国民の知る権利が損なわれることとなる。
こういった法律は、普段は何でもないようにみえても、イザという時に言論の自由を奪うことは必至である。

一方で、沖縄の米軍普天間基地の辺野古への県内移転の動きを強行しようとしている。

この一連の政府自民党の動きを見ていると、アメリカとの連動を益々強く感じさせると共に、圧倒的な議員数にモノを云わせる政治手法を露骨に見せ始めている。

しかしながら、自民党がこういった考え方や動きをすることは、当然のことである。
そのことは、民主党が初めて政権をとる以前にボクたち国民が良く知っていたことである。

民主党がいかにも未熟で、国民の期待の受け皿としての役目を果たせなかったことは残念だが、それにしても、今の政府の進み方に疑問を投げかけることの出来ない世論やマスコミの在り様はいかにも情けない。

自らも大いに含めてではあるが、政府自民党というよりも、こんな基本的な動きに歯止めをかけることの出来ない自分たちに強い怒りを感じるのである。

        「怒っても 上がるだけだよ 血圧計」


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高齢者の生命保険

一昨日、保険の営業の人に来てもらい、生命保険についての話を聞いた。
ボクの生命保険をどうするかについての相談である。

現在、ボクは二つの生命保険に加入している。
ひとつは80歳までの契約だが、もうひとつはそろそろ契約が切れる。

両方ともに掛け捨てだが、合計で50万円弱の保険金を月々支払っている。
糖尿病のために高い掛け金となっている。
そして、契約期間内にボクが死ねば1億円の保険金が入って来る。
これで、銀行からの借入金の返済に間に合う勘定になる。

70歳を過ぎると、途端に月々の保険の掛け金が2倍に跳ね上がる。

「70歳以上の年齢の人には本当は入ってもらわなくても良いのですよ」とボクよりも年長で、昔からの付き合いのある保険営業マンのKさんは憎まれ口をきく。
同行して来た部下は慌ててフォローしようとするが、間に合わない。
「保険屋の私だって加入するのに苦労しますからねぇ。年寄りはいつどうなるか危ないですからね」とニヤリとする。

「そう云えば、ボクの知り合いの人で、お宅たちと同業の方がいるのですけどね」とボクは云った。
「彼は、高いお金を払って保険に入るよりも、××という健康食品を飲む方がよほど利口だと云って、盛んに勧めていたなあ」
「そうかもしれませんよ」とKさん。
「いえいえ、70歳からでも色んな商品があります。政府もここ半年は保険の規制を緩める方針で動いています」と若手の営業マンは軌道修正に懸命だ。
「Kさんは正直で、商売っ気が無いからなあ」

Kさんの云う通り、本来ならば70歳を過ぎてから生命保険など掛ける必要はないのだが、ボクの場合は、会社でそれなりの借入金があるから、イザという時に備えて無理をしてでも高額の掛け金を払うことになる。

生きていたのでは価値が無く、死んで初めて値打ちが出るというのも妙な感じである。
もともと、それが生命保険というものだが、歳のせいか、変に現実味が帯びてきて生々しく感じられるのである。

   「保険屋も 乗り気になれぬ 高齢者」


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防空識別圏

防空識別圏なる耳新しい言葉が世間を賑わしている。

中国国防省は11月23日に東シナ海の空域に防空識別圏を設定すると発表した。

防空識別圏とは、自国に侵入する不審な航空機による領空侵犯を防ぐために設定された空域のことで、スクランブル対応をするかどうかを検討する基準としているものであるらしい。

中国が今回設定した空域は沖縄諸島の西側や尖閣諸島の上空を含む広い範囲に及び、すでに日本が設定した防空識別圏と重なることから、今後、尖閣諸島上空を巡る日中の緊張が高まると見られているようだ。

しかし、このこと自体は本来は大きな問題ではない。

もともと、防空識別圏とは領空は含むが、ほとんどの範囲が公海上空であり、そこは航行自由な領域である。
というのも、不審機が領空を侵犯してから対応するのでは防衛上間に合わないため、スクランブルを掛けるかどうかの識別等に必要な広い範囲にあらかじめ設定したものが防空識別圏だからである。

その意味では、普通ならば、その範囲が日中で重なっても問題は無いはずなのだが、今回は中国が、防空識別圏を飛行する航空機は中国側の指示に従わなければならず、従わなければ武力で防衛的緊急措置がとられる、としていることが問題となっているようだ。

明らかに、これは中国側のやり過ぎである。

しかし、ボクは国家間の争いに関しては出来る限り問題を小さくしていくべきだと考えている。
安易なナショナリズムの高揚は不毛なだけではなく、危険な芽を孕む。

13億人を統治する聡明であるはずの中国首脳部の真意がどこにあるのかなど、この件に関しての特別な情報を持たないが、日本政府には冷静で賢明な対応を望みたい。

このニュースを聞いて「いよいよ、日本の国籍に変えるわ」と妻は云った。
彼女は朝鮮民族だが中国国籍である。
下手をすると日中間で局地的な戦闘が起きないとも限らないのではないかと心配してもいる。
戦争にでもなって、中国に追い返されたらどうしよう、などと半ば本気で心配している。

ボクたち一般市民レベルのこういった過剰とも思える反応のひとつひとつが、恐い。

      「政策か それとも軍部 独走か」


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寿祝い金

ボクもいよいよ年寄りの仲間入りをする出来ごとがあった。

今年の9月に古希を迎え、会社のスタッフ懇親会を兼ねてパーティーを開き、会社のスタッフに無理やりお祝いをしてもらった。

しかし、その時も自分が年寄りだとの実感を、実は持ってはいなかった。
古希をひとつのケジメとして禁煙し、あと5年間はがんばります、とスタッフみんなの前で挨拶をした。
新たなスタートと考えていた。

ところが、先日、新宿区役所から一通のはがきが届いた。
それは、高齢者に寿祝い金を支給しますとのお知らせだった。

有難いけれど、どうせ大した金額ではないだろうと思ってそのまま放っていたのだったが、急きょ、印鑑証明書が必要になることがあり、区役所に行った。
その時、寿祝い金のことを尋ねると、二階に行って下さいと云う。

そこは、福祉部高齢者福祉課という部署だった。
どうやら暇な部署らしく、年配の女性が二人で対応してくれた。

健康保険証を見せて住所と氏名を指定の用紙に書き込むと、何やら大きな台帳のようなものを出してきて調べている。
コンピューター化されている時代には珍しい、いかにもアナログ的光景で、思わず笑えたが、妙な親近感があった。

女性たちは、台帳からボクの名前を確認したようで「あった、あった」と云い、寿祝い金と印刷された封筒と五千円札を「僅かですが……」と云いながら差し出してくれた。

古希が5千円、喜寿7千円、米寿1万円、長寿は3万円支給される。長寿というのは96歳から99歳であるらしい。

ボクは寿祝い金を有難くいただき、名実共に高齢者の仲間入りをさせていただいたが、どういう理由でこのお祝い金までいただけるのか、その理由を知らないでいる。

   「長寿まで 三万円の 道のりを」


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格差社会

もう25年近くなるだろうか、赤坂にボクが時々利用させてもらっている小料理屋がある。

女将さんが作る創作料理はなかなかの一品で、「おまかせ」できるのでちょっとしたお客さんとの接待がわりに重宝している店である。
女将はまだ50歳代のボクから見れば女盛りで、ひとりでずっとお店を切り盛りしてきただけあり、気丈で誇り高い女性である。

どういう訳だか、ここ3カ月ほどは足が遠のいていた。
気にはなっていたのだが、そのまま時間が経っていた。

先日、昼食を食べに、たまに行く、或るお店に入った。
夜は小料理を出す居酒屋だが、昼時は定食を食べさせている。

客が15~6人も入ればいっぱいになる狭い店だが、そのカウンター越しにある厨房では6人ほどの女たちがせわしなく働いている。

その一番奥の方に見たような女性がいた。
背越しの姿はどうみても女将だった。
振り向いて、眼が合った。
女将も一瞬驚いた様子を見せたが、とりつくろうような笑顔を見せ、小さく手を振った。

場違いな所で会ってしまったという少しバツの悪さを感じた。

あの女将が、昼間は、こんな店で手伝いのアルバイトを始めたのかと軽いショックを受けた。

そう云えば、やはり赤坂の行きつけのスナックが先日、店を閉じた。
ママは、その後、近くの大衆居酒屋で裏方として働いていると聞いた。
新年会や忘年会、花見の時などの二次会でいつも利用させてもらっていたのだったが、やっていけなくなったようだった。

もっと支えて上げれば良かったとも思うが、ボクの力では、なかなかそうもいかない。
彼女たちは、たくましいと云えばそうだが、たくましいとの表現が適当なのかどうか。
みんな、生きて行くために格闘している。
厳しい世の中になっている。

聞いた話だが、日本の金融の市場では500兆円の大金が動いているという。
それに比して、物作りの市場は10兆円だという。
実態の無い金という欲望の魔物が暴れまわっているのだろうか。

日本から中間層と呼ばれるかつての豊かな階層が姿を消して久しい。
一部の金持ちはどんどん本物の金持ちになり、貧しい者の数が圧倒的に増えて行く。
お店もその形が変わっていくのだろう。

格差社会は確実に進行しているようだ。

   「太平に 弱きをくじき 格差あり」


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紅葉の季節

本格的な紅葉の季節が訪れた。

ボクの住んでいる信濃町のマンションを出てJR中央線のガードをくぐるとすぐに、赤坂東宮御所があり、すぐ隣の迎賓館と大きな公園に続く。
道路を挟んで、その向かい側には、公園と学習院小学校があり、ふたたび公園があり、四谷中学校につながっている。

四谷駅に向かうこの400メートル余りの路は街路樹が繁り周囲の公園は様々な樹木に覆われていて普段は緑豊かな一帯である。
そして、この季節、それらの木々が見事な紅葉を見せている。

ボクは毎朝、妻と二人でこの道を歩いて通勤している。

「わざわざ遠くまで出かけなくても、ここで十分紅葉が楽しめるね」
とボクは妻の京香に云った。

イチョウはまだ緑の方が濃く、黄色くなるのに、もうしばらく時間が掛る様子である。
桜は赤く、プラタナスやユリの木などは黄や茶色に染まっている。

「紅葉も、遠くから見ていると、その美しさに感動するけれど、近くで手に取るとただの枯葉だ
ね。」
「わたしみたいね。わたしも、だんだん枯れて来たわ」
「そんなことはないよ。美しいよ」
「まだ、大丈夫?」
「まだ、じゃなくて、まだ、まだ、大丈夫だよ」

大きな枯葉が風に舞い落ちている。

「ボクはもうすぐ散ってしまうなあ。京香はまだ若いからこれからだ。ひと華もふた華も咲かせて下さいよ」

つい先日、新緑を楽しんでいたのが、あっと云う間に紅葉に染まっている。気が付けばこのあたりは桜のピンクに包まれているだろう。
時の巡りの速さが恐ろしい。

   「手放しで 愛でて哀しき 紅葉かな」


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特定秘密保護法案

Kさんから電話があったとのメモがデスクにあった。
Kさんは日本テレビ時代の大先輩で、局でも偉くなられた方である。

普段、特別に親しくお付き合いをしているという訳でも無かった方だったので何事かなと、多少は訝しく思いながら折り返し電話をした。

電話に出られたKさんは恐縮され、「いやあ、わざわざ連絡いただいて申し訳ない」と言い「あなたは昔、スパイ防止法案に反対する番組を作られたことがありましたよね。当時は大変だったでしょう?いま、特定秘密保護法案のことが問題になっていますが、あなたのことを思い出しましてねぇ」とおっしゃる。

ボクがまだ現役で番組を制作していた頃だから、もう30年ほど前になる。
1980年代前半に、自民党政府は「国家には秘密があり、機密保護法制定は必要」との考えを持ち、スパイや内部告発による国家情報漏洩を防ぐための法案を実現しようとしていた。

ボクは、言論の自由、報道の自由という、ごく当然の観点からこれに反対する1時間番組を作った。

その放送をたまたま視た、自民党の某大物議員の奥さんが、ボクの番組に共感したようで、夫である議員に、スパイ防止法案の危険性を訴えたため、某自民党大物議員は大いに慌て、翌朝、自民党内で緊急会議を開き、その結果、日本テレビに抗議が来たのだった。

この事件は、知る人ぞ知る、エピソードである。
結局、この一件でボクが制作現場から外され、仕事が出来なくなる直接の原因となった。

Kさんも、わざわざ電話された位だから、その間の事情をご存知だったのだろう。
Kさんとやりとりの後「もうずいぶん昔のことになりましたよ」と丁重に電話を切ったが、当時のスパイ防止法案が1985年に廃案になって28年、又もや特定秘密保護法案とその名を変えて出現した亡霊にKさんは憂いを隠さなかった。

時代の変化もさることながら、特別に法律で定める必要のない法案で、国民の自由を縛ろうとする現政権の正体がいよいよ露わである。

一方、マスコミの反応は鈍い。
理屈はともかく、今こそボクたちは、この法案が持つ害毒と危険を感じ取る皮膚感覚を持つことが必要である。

      「叩いても またも首出し 亡霊が」


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不思議な約束事~その⑥

食物禁忌とは別に存在する宗教上のきまりである「子ヤギをその母親の乳で煮てはいけない」との律法があり、それを順守するために、ユダヤ圏及びイスラム圏では肉のルーツ、乳のルーツを表記することが当たり前になっていることは前に書いた。
道川勇雄さんによれば、これはトレーサビリティの原点だという。

トレーサビリティとは農産物や食品の原材料を個別に識別し、その生産からは製造、流通、販売、廃棄にいたるまでの全過程を記録することにより、その履歴情報を確認できるシステムのことを云う。

現実に、イスラムの世界では肉や乳だけではなく、食べ物や製品が、その原材料の出所から製造、運搬、保存の過程によって「ハラール」であるかどうかが決められ、「ハラール」であると認められなければ、食べたり使用したり出来ない仕組みが出来上がっている。

そうしたシステムが機能しているイスラム世界では、最近の阪急阪神ホテルズに端を発した産地偽装問題などは絶対に起きない。

また、近年、牛肉が狂牛病で騒がれた時に日本でも「牛肉トレーサビリティ法」が施行されたが、イスラム世界ではこれに類するような事件は起こらない筈である。
これらは、食の安全を確保するための大きな知恵のひとつだと思えて来る。

食を別の観点から見れば、飢餓の問題がある。

WFP国連世界食糧計画によれば、世界で8億7千万人が飢餓に苦しんでいるという。
これは世界総人口の8人に1人の割合になる。

限りある地球の資源をどう使って行くのか、と同様に、限りある地球上の命を人間がどう分配し食べて行くのかは本当に重要な問題である。

食物禁忌が投げ掛けるテーマは重い。

   「生きるとは 誰かを殺すと 見つけたり」


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不思議な約束事~その⑤

宗教上の戒律は多くあるだろうが、そのひとつが食物禁忌である。

厳しい食物禁忌を守って生きる、イスラム教、ヒンドゥー教、ユダヤ教などを合わせただけでも、その信者数は世界総人口の約35パーセントを超える。

これほど多くの人たちが、食物禁忌の世界に現実に生きている。
そして、今後もどんどん、その数は増えて行くことは間違いないと云われている。
35パーセントと云えば、世界の3人に1人が、それぞれ形は異なれども、食のタブーを守って生きていることになる。

この人数の多さだけでも、恐らく、食物禁忌が不自然で、ばかばかしい事と簡単に済ますべきテーマではないことを示している。

冷静に考えてみると、食物禁忌は、食べ物として人間が動物たちの命を奪うことに対する謙虚で敬虔な「畏れ」の表れではないか、と思えて来る。

「ハラール」を厳守するイスラム教徒は、羊を屠殺する際にも「アッラーのお名によって」と許しを得てから殺すことが義務付けられている。

ボクたちも日常生活で、食事の前には、必ず「いただきます」と無意識で唱える。
これは食べ物の「命」を「いただきます」という意味だと子供の頃に教わったものである。

しかし、今や、学校で給食を食べる前に子供に「いただきます」と言わせた先生に対し、「給食代金を払っているのに、どうしていただきますと云わなければならないのだ」と抗議する親たちが現れる時代である。

ある場合には牛を、豚を、イルカやクジラを、スッポンなどの爬虫類を、なぜ食べてはいけないのか、との食物禁忌を守る人たちへのボクたちの質問は、そのまま、牛や豚やイルカやクジラやスッポンをなぜ食べなければいけないのか、という質問になって返って来る。

本来、人は生きるために食べた筈である。
生きて行ける最小限の食べ物を摂取した。
しかし、もしかすると、飽食のボクたちは食べるために生きているのではないか。

余分な命を殺し過ぎているのではないか。

イスラム教徒をはじめとする異教徒たちの食物禁忌は、飽食の時代に生きることに慣れてしまったボクたち日本人が、久しく忘れていた、食べ物に対する根本的な考え方をあらためて問い直すきっかけとなっていることは間違いない。

そして、同時に、そこには、人間が永く生き延びるための深い知恵が隠されているのかもしれない。

   「エビやカニ 食べ放題だ バイキング」


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不思議な約束事~その④

宗教上の食のタブーに関する約束事は、各国共に国家レベルで、かなり厳格に守られているようである。

聖書の研究家として第一人者である道川勇雄さんについては、先日少し触れさせていただいたが、彼の話によると、日本は勿論のこと、世界中のどの一流ホテルでも、「肉の調理場」と「乳製品の調理場」は完全に分離されている、という。

この原則はホテルだけではなく、オリンピックをはじめ、国際的な催しをする会場や日本の皇室などでも厳守されている約束事であるらしい。

道川勇雄さんは、これまでに国際会議などを開催する経験を重ねてこられたが、その際には各国の責任者が開催の数ヶ月前に開催場所の厨房を視察し、「肉の調理場」と「乳製品の調理場」が分離されているかどうかを必ず確認しに来たという。

この調理場の分離の鉄則は、聖書の出エジプト記23章19節に書かれている「子ヤギを、その母親の乳で煮てはならない」との記述に基づくものであるらしい。
なんと驚くことに、聖書に書かれたこの律法が世界中の厨房で忠実に厳守されているというのだ。

この律法ができた理由は、イスラエルが入植した近隣の異教徒の国で「子ヤギの肉をその母親の乳で煮て」神に捧げる祭事があったためで、「あなたには、わたしの他に神があってはならない」という聖書の律法を守るためだという。

「子ヤギをその母親の乳で煮ないために」ユダヤ圏及びイスラム圏では肉のルーツ、乳のルーツを表記することが当たり前になっているそうである。

神道を信仰する日本の皇室までもが、聖書の「子ヤギを、その母親の乳で煮てはならない」との教えに縛られ、肉と乳の調理場を別々にするという掟に従わなければならない現実にまず驚く。
その強制力の実体とは何だろう。

道川さんに云わせれば「神を愛し、隣人を愛せという聖書の本質よりも、瑣末な形式の方が世界的になっている皮肉な一例」ということになる。

しかし、食物禁忌などは、おそらくその全てが、本質を忘れた瑣末な典型例だとボクには思える。
誰が考えても不可思議で不自然なことが、宗教という名のもとでは、それが金科玉条の如く、誰も疑うことなく、何にも優っていく形が、どうしてもボクには理解できないのである。

だが、しかしである。
食物禁忌は、そんなに簡単に割り切って判断できるテーマなのだろうか。

      「どの世でも タブー破りは 命懸け」


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プロフィール

馬鹿社長

Author:馬鹿社長
【小田昭太郎】
株式会社オルタスジャパン代表取締役

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